第35回 窓について その11 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第35回 窓について その11 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回も窓についてお話します。これまで窓の種類や窓の見分け方として、売買高も考慮して考えると判断し易いということをお話しましたが、今回はこれまで学んだことを活用し、トヨタ自動車(7203)を見ながら窓の種類を考えてみたいと思います。
それでは、トヨタ自動車のチャートをご覧いただきましょう。


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トヨタ自動車のチャートを見ると、日銀の追加緩和が発表された翌営業日となる11月4日に窓を開けて大幅化しているのが分かります。

一方、その後の株価は伸び悩んでいるわけですので結論からいえば、ブレイクアウェイギャップか、エグゾーションギャップかといったところになりますが、4日時点でこの窓がどの種類の窓なのかを判断して、買うのか、売るのかを決断しなければならないわけですから、しっかり分析しておく必要があります。

みなさんは4日の時点でどのように考えて行動するでしょうか。実際にこれまで各窓についてお話してきた条件を当てはめてみてみましょう。

例えば、10月1日つけた高値6,559円を上回って始りましたので、ブレイクアウェイギャップではないかということが考えられますが、上下にヒゲがあることから、日中の値動きが激しかったということが分かります。ブレイクアウェイギャップは高値を更新したあと、さらなる上昇を示唆する強い勢いを示すものになりますが、ソフトバンクのブレイクアウェイギャップをもう一度見てください。
こちらを見るとわかりますが、ブレイクアウェイギャップができるときは、多くの場合で寄り付きの価格を割り込むことはありません。仮に割り込む場面があったとしても、取引開始直後だけで、短いヒゲになるときがほとんどです。

ただ、トヨタの場合を見ると長い下ヒゲになっているのが分かります。このような形になりますと、強い上昇を示唆するというよりは、売買が交錯する形になっていることになり、戻り売りが出やすい状況と考えられるのです。

したがって、株価が伸び悩むことが予想されることから、数日間で利益を得ようと考えるスイングトレーダーなどは、買って持つという判断は避けた方がよいということになるのです。
いかがでしょうか。実戦では注意すべき興味深い点がありますね。次回も窓についてお話します。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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