マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今年最後のコラムとなりました。これまで窓についていろいろお話ししてきましたが、今年最後の本コラムも窓についてです。
前回はリバウンド狙いの指値注文の出し方について、比較的短い期間で窓を埋めることが多いといった特徴を活用することなどについてお話しましたが、今回は窓を埋めないケースについて考えてみたいと思います。
例として活用するのは日経平均株価(日足)です。
上記は日経平均株価の日足チャートですが、○をつけたところをご覧ください。2014年10月17日に14,529円03銭をつけましたが、その後は反発して12月8日に高値18,030円83銭をつけるまで上昇が続いているのが分かります。
またその間、窓をいくつもあけて上昇していますが、特に大きな窓が、日銀が追加緩和を発表した10月31日と11月3日のあいだのものになります。
さて、これまで「埋めない窓はない」といった相場の格言を紹介すると同時に、前回お話ししたように、「窓を直ぐに埋める」と言う特徴を利用して指値注文を出すことなどをご紹介してきましたが、ここで紹介した窓は全て埋められずに推移しているのが分かります。
こうしてみると、「埋めない窓はない」といった格言は一部で正しいものの、ここで紹介したケースでは、窓を埋めるどころか、全く窓埋めすることなく上昇を続けていることが分かります。
では、前回と今回とでは何が違うのでしょうか。私なりの考えでは、発生した窓がコモンギャップなのか、ブレイクアウェイギャップなのか、あるいはランナウエイギャップなのかといった違いが関係しているのではないかと思われます。
特に今回のケースでは、10月17日に安値をつけてからの反発局面に発生した窓はコモンギャップと考えられますが、10月31日の追加緩和発表がそれまでの高値を更新するブレイクアウェイギャップを発生させたために、上昇の勢いが加速されてそのまま上放れたと考えることができるのではないでしょうか。
また10月31日と11月4日の窓を埋めない限り、強い上昇トレンドが継続中と考えることができそうです。
このように強いトレンドが発生しているとき、直ぐに窓を埋めることはありませんので、押し目買いを狙っている人は、窓埋めの価格に指値注文を出すのではなく、窓をあけた価格近辺で注文を出すのがポイントになるのではないでしょうか。実際には、12月16日や17日の価格ということになりそうです。
いかがだったでしょうか。日経平均株価がしっかりとした値動きを続けているのは、こうした窓あけが関係しているということをお分かりいただけたのではないかと思います。
今年はこれで終了となりますが、今後も今さら聞けないテクニカル分析では、実例を交えて役立つ内容にしてまいりますので、来年も引き続きよろしくお願いいたします。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
http://www.itrust.co.jp/recom/index.php
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