第41回 窓について その18 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第41回 窓について その18 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさん、あけましておめでとうございます。株式会社インベストラストの福永博之です。今年も実戦で役立つテクニカル分析についてお話してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、これまで窓についてお話ししてきましたが、2015年の第1回目も引き続き窓についての話です。前回は埋めない窓についてお話ししましたが、窓を埋めるか、埋めないかの違いはブレイックアウェイギャップやランナウェイギャップではないかと説明しました。そこで本当にそうなのか、前回の例と全く同じ期間のいすゞ自動車のチャートを見ながら確認したいと思います。

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いすゞ自動車の日足チャートを見ると、昨年10月31日の日銀による追加緩和発表後、日経平均株価と同様に大きな窓をあけたあとも上昇が続き、同年12月8日に高値1,600円をつけました。
ただ、このときにあけた窓は、同年9月29日に高値1,589円を一気に上抜くことができていないことから、12月8日高値と10月16日安値1,266円までの下落を取り戻す過程で発生したコモンギャップと考えられます。

そのため、12月8日に高値を更新したあとの反落で25日や75日移動平均線を割り込むと同時に、10月31日と11月4日にあけた窓を埋めたことに加え、10月28日と29日の間にあけた窓も埋めており、10月16日に安値をつけてからの株価の反発分のほとんどを帳消しにする結果になっているのです。

このように、追加緩和という大きな材料が出た場面で窓をあけて株価が上昇すると、どのような銘柄でも日経平均株価と同じように強い値動きが続くと考えてしまいがちですが、いすゞ自動車のように、発生した窓がコモンギャップだった場合、上昇が止まってしまうと、窓を埋めることになってしまい、せっかくの利益が吹っ飛んでしまうことになりかねないのがお分かりいただけたのではないかと思います。

窓をあける場合、大抵は強いトレンドが発生したことを示唆するものになりますが、その反動が起こることも頭に入れ、どのような窓が発生したかも考量して売買を行う必要があるということを覚えておきましょう。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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