第45回 窓について その22 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第45回 窓について その22 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回も決算発表の結果と窓との関係から、売買判断をどのように行うかを考えていきたいと思います。
そこでまず業績発表の結果で注目しておく必要がある点についてお話ししたいと思います。まず注目しておきたいのは、事前の予想(アナリスト予想や会社予想など)を上回ったかどうかです。続いては予想に届かないケースと、届かないだけでなく下方修正をおこなったかなどが考えられます。
なかでも、好業績を発表しても事前予想に届かなかった場合、売りものに押されるケースが多く、そうしたケースでは窓をあけて始まることがあります。
このようなケースの場合、好業績だからという理由でリバウンドを狙って買うのか、あるいは様子を見るのかの判断は難しいところです。
それでは実際の例を見てみましょう。
銘柄は先週末に好決算を発表したセイコーエプソン(6724)です。30日の決算では、当期利益1,110億円、1株当り利益が620円50銭と、1月30日の終値(4,825円)で計算したPERは、何と7.77倍だったにもかかわらず、アナリストの営業利益予想に80億円程度届かなかったことから株価は売り気配で始まってしまいました。


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さて、このようにPERが7.77倍であるにもかかわらず売り気配で始まる銘柄を買いますか、売りますか?ファンダメンタルでは買えるかもしれませんが、売買タイミングで見ると、ご覧の通り結果はノーです。
また陰線を形成していますので、寄り付きで買っても、戻した時の上ヒゲで売ることができなければ、損失を抱えてしまうことになっているのが分かります。
では、これまでの窓の考え方から、どのように判断する必要があったのでしょうか?そこで、赤い点線をご覧ください。
この赤い点線は昨年10月16日安値4,495円を起点に横に引いたものですが、株価は大きく下方向に窓をあけると同時に、この直近安値を下回ってスタートしていることから、下方向へのブレイクアウェイギャップと考えられます。
そのため、下方方向への売り圧力が強いと考えられることから、リバウンドを狙った買いは控えた方が良いという考え方につながるのです。
また、この日の高値が4,500円だったことを考えますと、10月16日株価との窓を埋めたあとに値を保てなかったことが売り直されることにつながったと考えられ、こうした動きについて行けない人は様子を見る必要があると考えられるわけです。
いかがですか。窓の種類とその特徴を知っておくと、売買判断に役立つと思いませんか?


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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