第46回 窓について その23 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第46回 窓について その23 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回も決算発表と窓についてのお話です。前回は下方向へのブレイクアウェイギャップについてお話ししましたが、今回は上方向のブレイクアウェイギャップについてお話ししたいと思います。
例として使用する銘柄はソニー(6758)です。では実際のチャートをご覧ください。


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チャートに赤い点線の丸がニヵ所ありますが、それぞれ窓をあけたあと株価の上昇が続いているのが分かります。

また、2月5日(左から二つ目の丸)のように長い上ヒゲをつけて終えると、翌営業日以降下落することが多いのですが、ソニーの場合、翌営業日もプラスを保っているほか、反落しても窓をあけた日の安値を割り込まずに取引を終えています。

実はこうした上昇を継続するときの窓には共通点があるのです。それは、直近の高値をブレイクしている点です。また引かれた点線の起点となっている高値(直近の節=株価が止まり易いところ)を、上回って取引が始まっているのです。

実際、それぞれ窓をあけたあと、その窓を埋めることなく上昇が続く結果となっていますが、このように高値となる節目を上回ったあとに(過去数ヵ月振り返っても)抵抗となる節目が見当たらない場合、戻り売り圧力の弱さから上昇しやすいことになり、ブレイクアウェイギャップが形成されるとともに、どちらかと言うと「買っても良い窓」に分類されると考えられるのです。
相場の格言に「埋めない窓はない」といったものがありますがが、実はこのブレイクアウェイギャップが発生したとき、上昇トレンドが続く傾向になることが多いことから、窓埋めを狙った空売りは厳禁ということになるのです。

実戦では、2月5日のように大きな窓をあけてしまうと、怖くて買えずに信用取引で売りたくなるところですが、「買えない銘柄ほど上昇する」とはよく言ったもので、窓を埋めないことが逆に上昇トレンドの強さの証といいかえることができそうです。

今回事例としてあげたソニーのように、第3四半期の決算発表で営業利益が赤字から一転黒字に転換するなど、サプライズを発表する銘柄が表れ買い気配になったとき、今回の事例を思い出して「買ってもよい」のか、あるいは「買ってはいけないのか」を思い浮かべ、売買判断に役立ててください。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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