マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回も決算発表と窓についてお話したいと思いますが、2月も中旬を過ぎ、主要な3月期決算企業の業績発表が一巡し、今期の業績がそろそろ出そろったところになるなか、みなさんが注目していた銘柄や保有していた銘柄の業績とその反応はいかがでしたか?
業績が良いと思っても売られる銘柄や、逆に悪いと思っても買われる銘柄、良い業績が素直に評価され、さらに上昇が続く銘柄など、いろいろあったのではないかと思います。
そうしたなかで今回は、良い業績が素直に評価されてあけた窓についてお話したいと思います。それではいつものようにチャートをご覧ください。
銘柄は東急建設(1720)です。チャートを見ると、決算が発表される直前は三角もち合いを形成していましたが、発表を受けた当日は赤い丸で示したように窓をあけて上昇しているのが分かります。
また、これまでブレイクアウェイギャップの特徴として解説してきたように、直近高値となっていた1月22日の614円を一気に上回る窓をあけ622円で取引がスタートしたあと、一旦寄り付きの価格を下回り618円をつける場面がありましたが、窓を埋めることなく陽線で取引を終えています。
またその日のローソク足は上ヒゲをつけて終えましたが、翌営業日も値上がりして始まり、その上ヒゲを終値で超える結果となりました。
さらにその後も上昇が続き、窓開け初日と同様に連日上ヒゲが発生していますが、高値を更新し続ける結果となっているのが分かります。
このようにブレイクアウェイギャップが発生したあと上昇が続く結果となっていますが、これまで見てきたブレイクアウェイギャップと少し異なる点があるのです。それは、株価と5日移動平均線との乖離率の広がりです。
一般的には5日移動平均線とのかい離率は2、3%に広がると伸び悩むものですが、5%超まで拡大しているようです。
そうなると、ここでの判断は、かい離が広がり過ぎているから反落すると考えるのか、あるいは逆にそれだけ強いと判断するのかになりそうです。そこで、業績結果といったチャートの窓以外の詳しい情報が必要になってくるのです。
ちなみに東急建設の業績ですが、当期利益が39億円の予想から50億円に上方修正されたことに加え、一株当たり利益も36.54円から46.85円と上方修正されました。そしてさらに通期の配当も5円から倍の10円に修正しています。
決算結果を受けて買われるケースは、通期業績の上方修正というのが一般的ですが、その業績の上方修正を行ったことに加え、配当が倍増しているわけですから、この上昇は強いと判断する必要があるのではないかと思われます。
このように窓あけとその後に形成された株価は、ファンダメンタルズ面からの分析も踏まえた上で形成されたものになるため、テクニカルとファンダメンタルの両方をよく確認して売買判断に役立てる必要があると言えそうです。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
http://www.itrust.co.jp/recom/index.php
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