第51回　窓について　その28　【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回も週足の窓についてお話したいと思います。まずは週足の窓でも「埋めない窓は無い」といった相場の格言が有効なのかを確認したいと思います。それではいつものようにチャートをご覧ください。

日足の窓でもお話ししましたが、「埋めない窓は無い」という相場の格言はあるものの、実際にあけた窓を見てみると、窓を埋めない方が上昇の勢いが強いことを示すとお話ししてきましたが、週足ではどうなのでしょうか。

トヨタ自動車（7203）の週足のチャート見ますと、窓は全部で4つあいていますが、いずれも窓を埋めることなく、上昇が続いているのが分かります。

また窓を埋めそうになった2013年4月の下ヒゲのところや、2014年4月に青い丸で印をつけていますが、この場面では窓を埋める手前で下げ止まると同時に下ヒゲを形成して反発に転じており、窓を埋めることなく株価が上昇基調に転じています。

このような状況になると、「埋めない窓は無い」といった格言を信じて、窓埋めを待っている投資家にとっては買いたくても買えないことになり、相場の格言通りに投資を行ってもチャンスを逃してしまうことになってしまいそうです。

一方、窓を埋めずに反発に転じたあとの株価は上昇が続く傾向にあり、スイングトレードを目指している一般的な投資家にとっては、窓埋めを待って買うより、むしろ窓を埋めずに反発したところの方が買い場になっているのがおわかり頂けるのではないかと思います。

このように、週足でも日足と同様、窓を埋めない方が上昇に向かう可能性が高いと考えられ、いわゆる押し目買いのタイミングとしては最適と言うことになりそうですので、上昇が続く中では、「指値注文を出して下落を待つ」というよりも、「下げ止まって反発したところを買う」といった手法の方がチャンスを逃すことなく取引ができるのではないかと思われます。

コラム執筆：福永　博之　株式会社インベストラスト代表取締役

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