第66回 窓について その43 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第66回 窓について その43 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。6日の東京マーケットは、ギリシャ国民投票の結果を受け、大幅安となって終えましたが、先週と今週、2週続けて月曜日に窓をあけて取引が始まっていることにお気づきでしょうか。
ということで、週足の窓の話は次回以降に回すとして、今回は日経平均株価に発生している週初の窓についてお話ししたいと思います。
それでは日経平均株価の日足のチャートをご覧ください。

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チャート上に赤い丸をつけたところは、29日と6日のそれぞれ月曜日に窓をあけてスタートしたところになります。

このように2週連続で窓をあけてスタートすることは珍しく、特に2週続けて下落して始まることは稀で、今年に入ってから初めてのことになります。
そうしたなか、今回のように週初に下落して始まるケースをこれまでお話ししてきた週足の窓の発生と比較してみていきたいと思います。

まず6月29日に発生した一つ目の大きな窓ですが、一気に5日や25日移動平均線を下回るなど大きく下げてスタートすると同時に、長い陰線を形成していることからそのまま下落基調になってしまうのかと思われましたが、6月18日の安値を割り込むことなく下げ止まり、大きな窓と長い陰線を引いたあと株価が反発する展開になっています。
こうした値動きから、一つ目の窓はコモンギャップ(普通の窓)だったと考えられると思われます。

また7月6日に発生した窓についても、5日と25日移動平均線を下回ると同時に上下にヒゲのある陰線を形成していますが、ここでも6月18日の安値を割り込むことなく下げ止まっており、一つ目の窓と同様にコモンギャップと考えられそうです。
仮のこの6日の窓もコモンギャップだった場合、下落方向にトレンドが発生したり、下落が加速したりすることはなさそうです。

一方で、この6日の窓に続いて下落が発生し、18日の安値を割り込んだところに窓があいた場合はどう考えられるでしょうか。
そうです。その場合、ブレイクアウエイギャップになる可能性があり、下降トレンドが発生したり、下落が加速したりする可能性を秘めていると考えられるのです。
そのため、今回の2回の窓がコモンギャップで収まっている一つの背景として、6月18日の安値を割り込まずに踏みとどまっていることが重要な役割を果たしていると考えられるのです。

一方で、6月18日の安値を割り込むような窓をあけるようですと、前述のようにブレイクアウエイギャップが発生したと考えることができ、下降トレンドの入り口となる可能性があり注意が必要なのです。
したがって、これから下方向に発生する窓で、特に6月18日安値を下回って始まるような窓が発生したときは要警戒と考えられますので注意するようにしたいところです。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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