第75回 窓について その52 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第75回 窓について その52 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回も下落局面の窓についてお話ししたいと思いますが、ここまでの話はみなさんの参考になっていますでしょうか。

窓をあけている銘柄の下げ止まりの目途や買いのタイミングなどを探るために、窓の種類分けができることや、そこから過去にさかのぼってチャートを確認し、下げ止まりの目途となる価格を探す必要があることなどを繰り返しお話ししてきましたが、今回はちょっと逆のアプローチで、これまで紹介してきたように窓があいている銘柄をたくさんピックアップして研究したいときや、実際の下げ止まりや買いのタイミングを実際に動いている銘柄を使って研究してみたいと思ったとき、どうやって銘柄を探せばよいのでしょうか。
実はこうしたアプローチもチャート分析には重要です。なぜなら、効率よく条件にあった銘柄を探すことができるということは、それだけ前提となる定義がしっかりしているということに加え、窓あけ銘柄に共通している要件を満たしていることなどが考えられるからです。

そうしたなか、もっとも効率よく窓あけ銘柄を発見する方法をみなさんに考えていただきたいのですが、思いつきますか?思いついた人は、銘柄発掘が得意な人かもしれません。
そうです。日経平均株価やTOPIXに窓が開いているかどうかを確認し、窓があいているとしたら、日経平均採用銘柄やTOPIXと連動性が高い銘柄から探せばよいのです。
日経平均採用銘柄は、日本を代表する企業を225銘柄集めた指数ですが、日経平均株価に窓があいた場合、連動性の高い銘柄も同じように窓をあけていると考えられるのです。
また、TOPIXも同じです。TOPIXも日経平均株価と同様に窓をあけているとしたら、TOPIXとの連動性が高い銘柄にも窓があいていると考えられるのです。
そして今お話ししている発想から日経平均採用銘柄やTOPIXと連動性の高い銘柄の週足チャートを見てみると、直ぐに同じような形をしている銘柄が見つかります。
そこで今回ピックアップするのが、日経平均株価とほぼ同じような値動きの信越化学(4063)です。

20150908_fukunaga_graph1.jpg

このチャートを見てわかる通り、日経平均株価と同じように窓をあけているのがわかります。また、過去の値幅の範囲内で発生した下方向の窓であるため、これも日経平均株価の窓と同様に、「コモンギャップ」と考えることができるのではないでしょうか。
そうしたなか、信越化学の週足は、9月7日の時点では絶妙のところで下げ止まっているように思われます。
さて、その絶妙なところとは、いったいいつのことを指すのでしょうか。また、ここで下げ止まることができなかった場合、次はどの価格まで下落することが考えられるのでしょうか。
次回、答えをお話ししたいと思いますので、みなさんも次回まで考えてみてください。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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