マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓についてお話しします。
これまで東証1部の主力株の下落パターンをお話ししてきましたが、今回は新興市場に上場する銘柄についてお話ししたいと思います。銘柄は美樹工業(1718、ジャスダック)です。それではチャートを見てみましょう。
週足チャートを見ると、この銘柄もこれまで見てきた銘柄と同じように、週初から売り気配で始まり、窓をあけて終える結果になっています。ただ、新興市場に上場する銘柄には特徴的な動きがあるため、注意しなければならない点があります。それは、長いヒゲが発生するところです。
では、この長いヒゲはどうして発生するのでしょうか。ヒントは売買高にあります。そうです。長いヒゲが発生しているときは、売買高が極端に増加する傾向にあるのです。
では、このような動きをする銘柄の場合、発生した窓がどの窓かということに加え、どういった点に注意する必要があるのでしょうか。
それは、ヒゲの成り立ちを考えるとわかりますが、ヒゲが発生する場合、特に長いヒゲが発生するケースでは、動いた方向にトレンドが発生したと考えられる場合でも、直ぐに切り返して戻ってきてしまうことになります。
そのため、窓が発生しても、トレンドを加速させる窓や、逃げる窓といった考え方が通用しないことが考えられるのです。
では、今回のケースではどうでしょう。今週あけた窓はどの窓で、今後の方向をどのように考えればよいのでしょうか。
ではまず、窓の種類から考えてみたいと思います。この窓については、これまで何度も見てきたように、下方向にあけた窓ではありますが、過去の値幅の範囲内となることから、コモンギャップと考えられそうですが、売買高は膨らんでいないものの、短い下ヒゲを形成していると同時に、前週も上ヒゲを形成しており、強弱が対立する動きと考えることができそうです。
このような値動きを考慮して、今後の方向を考えた場合、売買判断をどのように考える必要があるのでしょうか。
考えられるパターンでは、上ヒゲと下ヒゲが交互に発生していることから、トレンドが発生しにくいことが考えられますので、強弱が対立しているとなれば、窓を埋めることが視野に入ってくるのではないかと思われます。
そうすると、益々コモンギャップではないのかと考えられると同時に、売買タイミングをしっかり考えて売買を行わないと、思惑と逆に動いた場合にロスカットしなければならなくなることが想定されることになるのです。
こうしたことから、新興市場銘柄が窓をあけたときの売買は、東証1部の主力株以上に慎重に行わなければならないということがよくわかります。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
http://www.itrust.co.jp/recom/index.php
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