第109回「米国に上場する日本株ETFたち」 ETF解体新書

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第109回「米国に上場する日本株ETFたち」 ETF解体新書

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。欧米人の立場に立って「日本株」という投資対象を眺めると、また違った日本株式像が見えてきます。米国市場には29本の日本株ETFが上場していますが、それらの中でもっとも有名なものは「i シェアーズMSCI Japan ETF」(EWJ)でしょう。当該ETFは純資産額がおよそ140億ドルあり、直近3カ月の1日あたりの出来高は2,000万口を超えます。当ETFが米国市場に上場したのは1996年3月のこと。まだETFの歴史がスタートして間もない頃です。モルガンスタンレーという運用会社が、World Equity Benchmark Shares(WEBS)という17本の外国株式ETFシリーズを立ち上げ、EWJはその1本としてアメリカン証券取引所に上場しました(その後、運用会社はバークレイズ・グローバル・インベスターズ、さらにブラックロックへと変遷します)。
日本株ETF純資産額第2位は、「ウィズダムツリーJapan Hedged Equity Fund」(DXJ)です。当該ETFを運用するウィズダムツリーは、ファンダメンタルズ(売上高・配当・利益など)に基づき組入れ銘柄および配分を決定するファンダメンタルETFで有名です。
当該ETFは純資産額が約70億ドル、直近3カ月の1日あたりの出来高は400万口程度です。当ETFの最大の特徴は「Hedged」とあるように、為替ヘッジされたETFであること。2013年から対ドルで急速に円安(ドル高)が進みましたが、米国人投資家はこのDXJを活用することで為替リスクを低く抑えることができました。

次に「i シェアーズMSCI Japan Small-Cap ETF」(SCJ)です。2007年に米国市場に上場。「MSCI 日本小型株指数」との連動を目指します。組入れ銘柄は809社。現金部分を除く上位組み入れ10社は以下の通りです(11月3日現在)。
1.ミスミグループ 2.日産化学 3.オリックス不動産投資法人 4.アドバンス・レジデンス投資法人 5.ディスコ 6.DeNA ディー・エヌ・エー 7.東ソー 8.ライオン 9.双日 10.キユーピー となっています。REITが2社入っているのが特徴でしょう。
続いて「ウィズダムツリー Japan SmallCap Dividend Fund」(DFJ)です。当該ETFは2006年6月に米国市場に上場。「ウィズダムツリー日本小型株配当指数」との連動を目指します。当該ETFのファクトシートには、「ウィズダムツリー日本小型株配当指数」と「MSCI 日本小型株指数」のパフォーマンス比較表が載っており、直近10年では、ウィズダムツリー日本小型株配当指数は+4.50%、MSCI 日本小型株指数は+3.27%となっています。
参考
(外部サイトへ遷移します)

最後に、DFJの上位組み入れ10社は以下の通りです(11月4日現在)。
1.SBIホールディングス 2.ベネッセホールディングス 3.八十二銀行 4.松井証券 5.横浜ゴム 6.三菱ガス化学 7.伊藤忠テクノソリューションズ 8.北陸電力 9.豊田合成 10.DIC(旧 大日本インキ化学工業)


コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

※i シェアーズMSCI Japan Small-Cap ETF(SCJ)は現在マネックス証券で取り扱っておりません。

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