第116回「野村AI70ETNについて」 ETF解体新書

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第116回「野村AI70ETNについて」 ETF解体新書

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。AIとは「Artificial Intelligence」の略です(日本語では人工知能と訳されます)。AIとは、人間が行う知的作業をコンピュータで模倣したソフトウェアやシステムのことであり、具体的には人の言語を理解したり、論理的な推論を行ったり、自ら学習したりするプログラムそのものを指します。今年1月から野村證券金融工学研究センターが「野村AIビジネス70」という指数の算出を始めています。この指数の特徴はズバリ「人工知能(AI)が銘柄選択をすること」です。

具体的には、各種ニュース、新聞、雑誌等の媒体に対し、関連キーワード(ビッグデータ、自動運転など)を用いて記事検索を行い、その検索記事数に基づく定量的な評価によって、指数の銘柄を選定しているのです(一連の作業をAIにさせるという点が画期的)。

当該指数の構成銘柄は国内株式の70社です(銘柄および、記事検索に用いる人工知能関連のキーワードは年に1回見直されます)。そして同指数との連動を目指すETNが「NEXT NOTES 野村AI ビジネス70(ネットリターン)ETN」(2067)です(3月1日に上場。略称は「野村AI70ETN」)。単元口数は1口単位で信託報酬は年0.85%です。

ETNとは「Exchange Traded Note」の略で、ETFと同じく株式市場に上場する「指数連動型証券」のこと。ただし、ETNは特定の指数との連動を約した「債券」を組み入れるのみで、ETFのように株式、債券等の原資産は入っていません。したがって投資家は発行体の信用リスクを負うことになります。またETNでは原則、分配金の支払いはありません。債券であるため、あらかじめ償還日が決まっています(当該ETNの場合2037年です)。

指数ベースで業種別ウェイトを見てみましょう。電気機器25.3%、輸送用機器15.0%、情報・通信業14.6%、サービス業9.1%となっています。また、指数ベースの組み入れ上位5銘柄は、1.シャープ 2.50%、2.ルネサスエレクトロニクス 1.90%、3.三菱UFJフィナンシャル・グループ 1.79%、4.三菱自動車工業 1.74%、5.第一生命ホールディングス 1.70%となっています(いずれも12月30日時点)。

今後、AIが生活の隅々に浸透することで、人間の暮らしの根幹部分を変貌させる可能性があります。米国でもAI関連のETFが複数組成されています。たとえば、グローバルX社が運用する「Robotics & Artificial Intelligence Thematic ETF」(BOTZ)。こちらは組入れ国第1位が日本であり、上位組入れ銘柄に三菱電機、ファナック、キーエンス、安川電機などが名を連ねています。あるいは、ナスダック市場に上場する「ROBO GLOBAL ROBOTICS & AUTOMATION INDEX ETF」(ROBO)。当該ETFの国別組み入れは、アメリカ44% 、日本27%となっています。最後にSprottアセットマネジメントが運用する「Sprott BUZZ Social Media Insights ETF」(BUZ) 。こちらは「ソーシャルメディア」と銘打っていますが、ソーシャルメディアそのものが、人口知能や機械学習を積極的に取り入れ、急速に進化を遂げている分野なのです。

コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

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