第146回 窓について(下落パターン) その123 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第146回 窓について(下落パターン) その123 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今年に入って、日経平均株価の窓あけが頻繁に起こっていることから、もち合い時の窓について解説していますが、先週もまた窓が発生しました。
ただ、この窓は既に埋められており、コモンギャップのように見えますが、実際どういう窓だったのか分析したいと思います。では、日足チャートをご覧ください。

○日経平均株価(日足)

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※i-Chart(アイチャート)より株式会社インベストラスト作成:ストックウエザー提供

最初に窓の確認からです。今回取り上げる窓は、3月1日と2日のあいだにあいた窓になります。ではどのような窓なのか発生時の状況から分析していきましょう。窓を分析するときにどの価格水準で発生したのかが重要なポイントになりましたね。
そこで2日にあけた窓の始値を見ますと、19,624円でスタートしていました。また、当日は19,668円まで上昇する場面がありましたが、結果は19,564円で終えるなど、窓をあけたまま終えています。
ではここで問題です。この窓は発生した価格からはどの窓と判断されるでしょうか。発生した価格というのが窓の種類を見分けるためのヒントになりますが、みなさんわかりましたか?
答えは「ブレイクアウエイギャップ」になります。ブレイクアウエイギャップは、それまで上抜くことができなかった高値を上回って始まるのが特徴になりますが、今回の始値である19,624円は、今年1月5日につけた昨年来高値である19,615円を上回って始まっていることから、これまでの高値を一気にブレイクして上昇する窓であるブレイクアウエイギャップと判断されるわけです。
ただし、実際の値動きを見るとどうでしょうか。一旦上げ幅を広げたあと伸び悩み、上ヒゲに加え、陰線を形成してこの日の安値で取引を終えているのが分かります。
また、翌営業日も下落して終り、上方向に放れると考えられた窓を埋める結果になっているのです。
こうなってしまいますと、実際に窓をあけて始まったところを買ってしまっていた場合、高値掴みになってしまうことが考えられ、ブレイクアウエイギャップとした判断が間違っていたことになりそうです。
では、これらの分析結果から、この窓はどの窓と判断すればよかったのでしょうか?また、仮にほかの窓と判断する場合、どの時点で判断を変える必要があったのでしょうか?
次回はその答えについて解説したいと思いますので、みなさんも考えてみてください。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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