マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。世界的にレバレッジ・インバースETFが活況を呈しています。リスクを負える投資家が、自身の相場観を当てはめながら果敢に売買できるツールとして、このようなETFを利用しているのです。
現在、国内では40数銘柄のレバレッジ・インバース型商品が上場しています(ETNを含む)。しかしアメリカでは、なんと270本以上のレバレッジ・インバースETFが上場しているのです。ETFの評価サービスを行っているXTFのサイトを見ると、米国に上場するETF2,043本のうち、およそ13%がレバレッジ・インバースETFであることが分かります。その内訳を見てみましょう。レバレッジ型138本、インバース(-1倍)型53本、インバースその他(-2倍以上)84本となっています(いずれも8月2日現在)。
http://www.xtf.com/Research/
詳しく見ると、レバレッジ型138本のうち、1.25倍型が2本、2倍型が83本、3倍型は53本となっています(現在、国内上場ETFでは2倍型があるのみです)。一方のインバースその他は、-2倍型が46本、-3倍型が38本となっています(国内上場ETFでは-3倍型はありません)。また、米国ではレバレッジ・インバースETFを大々的に扱う運用会社が存在します。「ProShares」という会社がそうです。こちらのサイト内、Type(タイプ)のところをご覧いただくと、Gearedというカテゴリーがあります。
http://www.proshares.com/funds/
これがレバレッジ・インバース型を指しており、同社だけで100本以上のレバレッジ・インバースETFを扱っています。具体例を挙げてみましょう。「ProShares Ultra Dow30」(DDM)は、ダウ平均株価の1日あたりの変動率の2倍の値動きを目指すレバレッジETFです。その他、先進国株式(米国除く)、新興国株式、中国、日本、メキシコ株式などのレバレッジETFがラインナップされています。あるいは、業種別の株式、金、銀、石油ガスなどのレバレッジETFも存在します。それに加え、米国国債20年物、あるいはオーストラリアドル(通貨ETF)のレバレッジ型もあります。
続いてインバース型ETFを見てみましょう。「ProShares Short S&P500」(SH)は、S&P500指数の1日あたりの変動率の-1倍の値動きを目指すインバースETFです。「ProShares UltraShort S&P500」(SDS)は-2倍型、また「ProShares UltraPro Short Dow30」(SDOW)は-3倍型のインバースETFです。SDOWのようなETFでも、直近3ヶ月の1日あたりの売買高は70万口を超えています。このように見ると、レバレッジ・インバース型がETFマーケットに深く浸透しているのが分かります。
最後に、レバレッジ・インバースETFの注意事項を。この種のETFは長く持てば持つほど、本来目的としている値動きから乖離してしまいます。レバレッジ・インバース型は短期のトレードのための道具であることをお忘れなく。
日本取引所グループ
・レバレッジ型指標に関する留意点
http://www.jpx.co.jp/equities/products/etfs/etf-outline/04-04.html・インバース型指標に関する留意点
http://www.jpx.co.jp/equities/products/etfs/etf-outline/04-05.html
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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