第178回 窓について その155 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第178回 窓について その155 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も引き続き窓についての解説になります。ところでみなさんは前回の内容を覚えていますか?
ちなみに前回は、「23日にあけた窓をどの窓と考えるかによって投資判断が大きく変わってくることになりますので、とても重要な判断といえます。」としました。
また、「今回の窓はランナウェイギャップなのか、それともエグゾーションギャップなのか、重要な判断を迫られることになりそうですので要注目です!」ともしましたが、みなさんはどちらの判断になったのでしょうか。
それでは実際のチャートを見てみたいと思います。

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チャートを見ると分かりますが、前回の解説で「23日の高値を更新できずに窓を埋めるような値動きになった場合にエグゾーションギャップとなることが考えられます」としましたが、結局は23日の高値を更新したことから窓を埋める動きにはならず、そのまま上昇が続く結果となりました。
こうした動きから、前回指摘した窓はランナウェイギャップ(=逃げる窓)だったと判断するのが正解だったことになります。
そこで、結果論だけでなく何に注目すればランナウェイギャップと判断でき、投資行動を起こすことができたのでしょうか。
1つは、前述のように23日の高値を更新することができたかどうかになると思われます。なぜなら、高値を更新できないと上値の重たさが嫌気され、売りものが膨らむと考えられるからです。ただ、10月25日に上昇して始まったあと陰線を形成して終えている場面では、前日まで16連騰と日経平均株価では過去最長の連騰記録になったほか、株価水準も21年3ヵ月ぶりの高値をつけていたわけですから、このような陰線のローソク足(かぶせ線)が発生してしまうと上昇が続かずに反落してしまうと考えてしまったかもしれません。
では、何を根拠に窓あけ後の上昇が続くと判断することができたのでしょうか。それは高値更新と5日移動平均線とローソク足の位置関係です。
終値で高値を更新することができなければ上昇トレンドは終わってしまうわけですが、反落した場面でもローソク足が5日移動平均線上を維持していたことから、上昇トレンドが継続していると同時に、ランナウェイギャップであると判断することができたのではないかと思われます。
またこのような結果になると、「そろそろいいところだ」とか、「連騰で株価上昇が止まるのでないか」といった考えが如何に感覚的なもので、根拠を欠いたものであるかがお分かりいただけたのではないでしょうか。
このようにテクニカル分析を勉強することで、少なくともこれまでの上昇局面で損失につながる空売りをしてはいけないことが判断できたのではないかと思われますので、引き続き感覚的な判断を避け、客観的なルールに基づいて判断できるようにしたいところです。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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