マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
先週8日(金)付の英字紙China Dailyに、英国の会計事務所グラント・ソントンが行った、世界各国の企業の管理職層への女性の進出状況についての調査結果が掲載されていました。
この調査は、世界44か国の企業を対象に行われ、中国企業は200社が対象となったそうです。
結果は以下の通りで、中国企業の管理職層への女性の進出ぶりがうかがえます。
(1) 管理職層(Senior Management Positions)に占める女性の割合
中国 51% (調査対象44か国中1位)
アジア太平洋 29%
BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の合計 28%
欧州 25%
世界平均 24%
南米 23%
北米 21%
日本 7%
(44か国中最下位 因みに米国は37位、英国は38位)
(2) 中国企業で女性の割合が高いポジションの例
人事部長 81%
CFO(最高財務責任者) 61%
CEO(最高経営責任者) 25%
取締役 21%
(世界平均は19%)
グラント・ソントンの調査担当者は、中国の企業では今後も多くの役職で女性の割合が高まるものと見ており、特に取締役の女性比率が上昇すると予想しています。
中国では、女性が自身の意思で転職することはあっても、結婚や出産で退職することは稀で、結婚後も夫婦共稼ぎが一般的です。
子育ても、母親が一手に引き受けるものではなく、家族総出で、あるいは家政婦(お手伝いさん)を雇う等により行うのが普通です。このため、女性も長期のキャリアを得ることが出来、昇進にもつながるという訳です。
ただ、現在開催中の全国人民代表大会(全人代)のニュースを見ますと、共産党や政府機関の幹部は、まだまだ圧倒的に男性優位のようです。
女性の社会進出が進んでいることの背景には、もちろん「一人っ子政策」の存在があり、また法制度や子育ての環境等の違いもあるため、日本との比較は難しいのですが、中国を参考に出来る点もいろいろありそうです。
特に「キャリアの中断への懸念」や「子育ての環境(保育所等)の未整備」が少子化の原因となっていることからも、女性が長く働ける環境を整えることで、様々な問題の解決に繋げていければと思います。
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コラム執筆:長野雅彦 マネックス証券株式会社 北京駐在員事務所
マネックス証券入社後、引受審査、コンプライアンスなどを担当。2012年9月より北京駐在員事務所勤務。日本証券アナリスト協会検定会員 米国CFA協会認定証券アナリスト
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