第 63 回 当選者の教え『宝くじの正しい買い方』

良質な種(投資のための基礎的な知識や知恵)をたくさん手に入れて、一緒に育てていきませんか?投資初級者の方の背中を押すお話をしてまいります。(現在は更新しておりません)

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第 63 回 当選者の教え『宝くじの正しい買い方』

某証券会社の窓口に座り、毎日多くのお客様のご相談にのっていたころのお話です。ある日、支店の自動ドアを入ってくる40代の男性が目に留まりました。普通の格好の普通の目鼻立ちの人なのですが、後光が光って見えたのです。「全身から幸福オーラがでている。信心深い人なのかしら・・。」そう、思いました。しかし、その人こそ、当時の最高金額1億2000万円を当てた人だったのです。

既婚、子供ありのサラリーマン、都内の賃貸住宅住まい、ごくごく一般的な男性であるその方に「買い方のコツ」を聞いたことがあります。「確率だから、とにかく買い続けるんだよ。」とのこと。宝くじの発売日に必ず決まった数量(10枚、ジャンボの時はもっと)を買う。買ったら引き出しに放り込んでおく。を繰り返し、引き出しが一杯になったら自動当選判定機にかけるのだそうです。ポイントは買い逃さないこと、ただそれだけ。財布の中にはランチ代しかない時でも、それが宝くじの発売日であれば昼食を抜いてでも宝くじを買わねばならないそうです。「だって、1回逃したら自分の順番がまた遠くなっちゃうからね。」確率だから自分の番は必ず来る、それを逃さないために買い続けなければ意味がない。宝くじを当てるための仕組みづくりを計画し、着実に実行していたというわけです。
 さて、この宝くじ。実は経済的価値の計測方法からするとその期待値は低く、効率的な投資とは言えません。私自身も夢を買いたいとは思うものの、あたるかどうかわからない紙切れに毎月のように継続した支出をするのは苦痛と思うほうです。

でも、この『継続』というやり方は預金や投資の積立てと同じ。しかも『継続しなきゃ意味がない』というほどの危機感をもって必ず自分の給料から宝くじを買うための予算を確保する。この徹底したキャッシュフロー管理が資産を作る人に共通していることだと思います。この意志の強さが資産づくりには必要。この方、他に賭けごとをするわけでもなく、将来のための資産作りもきちんとして、宝くじは趣味として自分のおこずかいで買っていました。

今回のお話、決して「宝くじを買いましょう!」のお話ではありません
!キャッシュフローの重要性を考えるお話です。限りある資金の配分は必ずその中で行なう。宝くじを買うのに、足りなければ昼食代を削る。ゴルフ代を確保するためにタクシー代は減らすなど。収入と支出のバランスを保つ健全なキャッシュフローが資産づくりの基本です。この健全なバランス感覚を養わないうちに大金を得てしまうと、途端に浪費してバラ色の人生を暗転させてしまうなんていう恐ろしいことになるのかも。そういえば、かの人は、宝くじ当選後も、賃貸住まいのまま、会社勤めもそのまま、車もそのまま。「何があるかわからないからね。今の給料の範囲での生活ぶりは変えないよ。」とおっしゃっていた、とても真っ当な人でした。

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