2003年の米国市場を振り返って・・・そして2004年へ(後半)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

2003年の米国市場を振り返って・・・そして2004年へ(後半)

昨年末バンガードの会長ジョンJブレナンが語った、昨年と今年の米国市場についてのインタビュー記事の続きです。

2004年はどのような投資環境になると思いますか?

ブレナン氏:私の関心事は3つです。1つ目は米国株式市場が比較的短期間に非常に強く反発したことです。下げ相場は2002年10月に底を打ち、リバウンドし始めました。2003年3月にイラク解放運動が始まると、その劇的な株式市場の回復はさらに確かなものとなりました。市場の急速な回復はめずらしいことではありませんが、私は元来へそ曲がりなので、その動きが急激すぎるのではないかと心配しています。

次のポイントは株式価値についてです。歴史的に見ると、株価は割高な状態が続いています。年末の時点で、S&P500インデックスの株価収益率(PER)は24.64でした。一方、1960年から2003年のPERの平均値は16.95となっています。金利水準が非常に低いため、恐らく株価が過去の標準よりも高い評価となっているのでしょう。注意が必要です。

第3に、現在の低金利に対して、それほど肯定的でない見方があることです。米国マネー・マーケットの利回りは1%近辺まで下がっています。もし投資家が長期的な債券ファンドではなく、短期金融商品に投資していたとすれば、その収益は過去3年で約80%削減されたことになります。これらに集中して投資している投資家にとっては苦しいところでしょう。

こうした環境で投資家が最も気をつけなければならないことは何でしょうか?
ブレナン氏:活性化する株式市場の中でも、いくつかのセクターは特に活発な動きをしています。投資家はこれらのセクターのパフォーマンスに目がいき、誘惑にかられるかもしれません。実際、このような投資家の行動は投信の流入額に表れていますが、誘惑に負けてはいけません。

また、利回りの低い債券ファンドに飽きて、よりよいリターンを得ようとジャンク債ファンドや株式ファンドに必要以上に投資しないことです。自分の許容範囲以上のリスクを冒さないように気をつけなければなりません。

バンガードは、バランスをとること、分散化すること、規律よく管理することが投資の成功の鍵だと考えています。これはいつの時代においても真実です。株式ファンド、債券ファンド、短期金融商品のバランスのとれたポートフォリオを保有することがリスクの低減につながるのです。そして、そのためには流行のファンドを追ったり、パフォーマンスの悪い資産クラスからすぐ離れたりせずに、ポートフォリオを粘り強く保有する忍耐が必要でしょう。

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