アクティブ運用のもう一つの見方

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

アクティブ運用のもう一つの見方

 ペプシとコカコーラ、MacとWindows、アクティブ・ファンドとインデックス・ファンド。これらは対照的なものとして、どちらが優れているかしばしば議論となるところです。アクティブ・ファンドとインデックス・ファンドの場合は、一般に論じられることは少ないですが、運用業界では常に議論の的となるトピックです。

 「しかし、それは的はずれなことと言えるでしょう」バンガード投資カウンセリング・アンド・リサーチ・グループの責任者キャサリン・ゴードンはこう指摘します。実際、インデックス運用のパイオニアとして知られるバンガードも、インデックス・ファンド同様にアクティブ運用の株式ファンドや債券ファンドの幅広いラインナップを持っているのです。

 「アクティブ・ファンドとインデックス・ファンドは、同一のポートフォリオに平和的に共存させることが可能です。投資家にとって両者のどちらかを選択しなくてはならないということはありません。」

 実際、アクティブ・ファンドはインデックス・ファンドの弱点を補完するかたちで、さらなる付加価値と安定感をポートフォリオに与えてくれる可能性があるのです。

 しかしながら、同時に、アクティブ・ファンド選択には注意することもあります。その一つがファンド運用に関わるコストです。

 アクティブ・ファンドで高いリターンを出すためには、アクティブ・マネージャーにとっての、運用コストの問題をクリアしなければなりません。たとえば、ファンド運用の投資戦略を実行するときに生じる、ファンド内の取引コストやマーケット・インパクト・コストにより、ファンドのリターンが目減りしすぎない運用を心掛けなければならないのです。

 米国のミューチュアル・ファンドの場合、米国市場のほぼ全体をカバーするMSCI US Investable Market 2500インデックスによって測定された2003年末までの過去10年間の米国株式ファンドのパフォーマンスをみると、1033のファンドのうち、市場平均リターンの10.6%を下回ったファンドは全体の71%にも達しました。さらに、それらのファンドのうち4本に1本が、4パーセンテージ・ポイント以上、市場をアンダーパフォームしていました。(出所:リッパー・アナリティカル・サービス、MSCI、バンガード・グループ)

 市場リターンを下回ったファンドにみられる共通点は高い運用コストでした。逆に、市場リターンを上回ったファンドの特徴はその低コスト性でした。大部分のファンドのリターンが市場リターンに近似していたことからも、コストがどれほどリターンに影響を及ぼすのかがわかります。さらに、市場を4パーセンテージ・ポイント以上もアンダーパフォームしたファンドがあったということは、マネージャー選択(つまりはファンド選択)の重要性を示唆するものでしょう。

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