マーケット・タイミング戦略の危険性

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

マーケット・タイミング戦略の危険性

 市場の動きをあらかじめ予想することは非常に困難です。投資の専門家でさえ誤った予測をしてしまうことがあります。投資家は市場が下落しはじめると、損失を恐れてパニックに陥ってしまいがちです。

 マーケットからの損失を避け利益を最大化する方法は、マーケットが上がってしまう前に買い、下がる前に売ることだと考えている方もいらっしゃるでしょう。これは「マーケット・タイミング戦略」と呼ばれるものです。

 マーケット・タイミング戦略の投資家は、株式や債券が様々な過去の指標と比較して望ましい水準になる、もしくは専門家が儲けるチャンスだと言う時に一度に多額の投資を行います。そして、過去のデータによるなんらかの指標や専門家の意見により、価格が高い水準まできたと判断したときに全てを一気に売ります。

 しかし、残念なことに、いつ、どのくらい証券市場が上昇または下落するかということを的確に予想できる投資家はほとんどいません。(たとえ経済学者や金融の専門家であっても一貫してマーケットの動きを予測することはできません)結果として、多くの投資家は価格が上昇した後にマーケットに飛びつくか、価格が下がって、パニックになって売りに出すことになってしまうのです。
 感情的になることは、しばしば良識ある投資判断の妨げとなります。取引期間中に最も値上がりした数日間を逃したばかりに、リターンを大きく減少させてしまう可能性もあります。また、株価が下がったからといって、すぐに売りに出してしまうのは、その後の市場の反騰を逃していることにもなるかもしれません。長期的な投資を目指しているのであれば、短期的な市場の変動に基づいて投資判断をするのは避けたほうがよいでしょう。

 次のような歴史的事実をご存知でしょうか?

 1980年代のS&P 500インデックス(米国株式の代表的インデックス)の年率リターンは17.5%でした。

 もし、当時S&P 500をベンチマークとするインデックス・ファンドに1万ドル投資し、10年間それを保有し続けていれば、1万ドルの投資は5万162ドルとなる計算になります。(ファンドコストを考慮せず)

 しかし、投資家がその期間中に最も値上がりした上位40日間を逃したとしたら・・・平均年率リターンは3.9%、1万ドルの投資は1万4661ドルにしかならなくなってしまうのです。

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