リタイア後に備えた投資を始めよう

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

リタイア後に備えた投資を始めよう

 米国の投資家の多くは何らかの目標を持って投資をしています。例えば、子どもの学費、マイホームの購入、あるいは少し贅沢な旅行をするため、などです。でも、どんな投資目標よりも、まず最優先に考えるべきは、リタイア後のための資産形成でしょう。マイホームの購入や学費なら、どうしても足りない場合など、ローンを組んで金融機関から借りることもできますが、老後の生活費というのは、そういうわけにはいきません。

 早速、リタイア後の資金を貯めるための投資プランについて考えてみましょう。ただし、いきなり投資を始めるのは問題です。まずはリタイアするまでにいったいいくら貯めればいいのか、その目標額を見積もる必要があるでしょう。そして、その際には以下の米国の調査結果を参考にしていただきたいと思います。

 米国では、「老後は質素な生活でいい」と考えていた人でも、実際のリタイア後の生活は想像以上にお金がかかると感じている退職者が多いそうです。その理由の一つとして、退職年齢が若年化し、また、寿命も伸びているため、相対的に引退後生活の平均年数が長くなっていることがあげられます。米国の場合、現在65歳の男性は、平均して80歳代前半まで寿命があると考えられますし、女性は男性よりももっと長生きでしょう。100歳まで生きることもまれではなくなってきており、米国では2050年までには、約100万人が100歳以上になると考えられています。 (出所: 国立健康統計センター) 退職後に必要な生活費を考えると、これはかなり長い年数だといえるのではないでしょうか。
 また、リタイア後の生活費は意外に減らないといった調査結果もあります。給与所得がないことで、通常、社会保障税や所得税の支払いがなくなるでしょう。また、住宅ローンやその他のローンの返済も完了している人が多いでしょう。その点では経済的に負担が軽くなります。しかし一方で、住宅を所有している場合、固定資産税、住宅保険などに加え、修理維持費などが増えると考えられます。

 それに加えて見逃せないのは、インフレによる影響です。米国では1960年以来、消費者物価指数(CPI)が年平均4.4%、2001年末までで、5倍近くに上昇しています。なにかを買うために貯めているお金が、知らぬ間にポケットから徐々に消えていっているようなものです。日本の場合、デフレが長く続いたために、インフレにピンとこない人も多いと思いますが、過去の状態が今後も長く継続するとは考えないほうがよいでしょう。

 このように、引退後の生活には想像以上のコストがかかるものです。でも、信用のおける機関からの良質のアドバイスを参考にして、しっかりとした投資計画を立てていれば、退職後に備えた資産形成も、思ったより困難ではないかもしれません。

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