バンガードのチーフ・インベストメント・オフィサーに聞く:インデックス運用について最新の見解(その1)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

バンガードのチーフ・インベストメント・オフィサーに聞く:インデックス運用について最新の見解(その1)

バンガードは、投資家の利益のために、最適なベンチマーク構造についての認識を運用業界で共有できるよう努め、インデックス運用の手法の開発、改良を重ねてきました。そういった点でまさに「インデックス運用の先導者」といえるでしょう。

 チーフ・インベストメント・オフィサー、ジョージ・U.“ガス”ソーター氏は1987年にバンガードに入社以来、バンガードのインデックス運用に携わってきました。今回と次回にわたり、ソーター氏にインデックス運用に関する最近のトピックについて語ってもらいます。

インタビュアー(以下I):インデックス運用が見直されてきたように思いますが、それはなぜなのでしょうか?

ソーター氏(以下S):米国の金融ニュースでは、インデックス運用商品の価格競争の盛り上がりや、上場投資信託(ETF)のような多彩なインデックス運用商品の登場が大きく取り上げられています。しかし、実際に投資家や金融の専門家がインデックス運用志向に傾いていることは注目に値します。米国で2004年に投資された株式ファンドのうち、3分の1はインデックス・ファンドへ振り向けられました。(出所:Strategic Insight)。大多数の投資家にとって、インデックス・ファンドはこれまで以上に金融資産の重要な位置を占めるようになっているのです。今では、米国の株式ファンド総資産の実に約15%がインデックス・ファンドであるといわれています。 (出所:Morgan Stanley Research)。
(I):インデックス・ファンドに大きな資金の流れがあったのはなぜでしょ   うか?

(S):過去5年間の上げ相場と下げ相場で、インデックス・ファンドが持つ低   コスト、分散化、ベンチマークに対応したパフォーマンスの予測性、高   い税効率性などの「手堅い」優位性が見直され、ファイナンシャル・プ   ランナーや投資アドバイザーなどの専門家同様に一般投資家の心を捉え   たものと思われます。

(I):パフォーマンスについてはどうですか?

(S): 米国では、近年の下げ相場の後、株価が30%以上もリバウンドしたこと   は、投資家を株式ファンドに回帰させた大きな要因といえるでしょう。   しかし、2004年の年間リターンを見ますと、7%で過去の平均を下回る   に留まっています。(MSCI US Broad Market Indexのリターン)

 もし、パフォーマンスについて語るならば、それはむしろ長期パフォーマンスでしょう。インデックス運用の長期パフォーマンスの優位性を説明するのに個人投資家や機関投資家に対してよく用いられるのが、モーニングスターのマトリックス表です。これは、米国株式ファンドを投資スタイル(バリュー、ブレンド、グロース)と、時価総額(大型、中型、小型)ごとに9つのカテゴリーに分類してあります。2004年12月末までの10年間でS&Pベンチマーク・インデックスとアクティブ・ファンドのパフォーマンスを比較してみますと、ベンチマーク・インデックスのリターンは中小型株を含めた9つ全てのカテゴリーで、半数以上のアクティブ・ファンドを上回っていることがわかります。例えば、大型ブレンド株スタイルにおいては、82%のアクティブ・ファンドがベンチマーク・インデックスにアウトパフォームされています。これらの結果はインデックス運用の優位性を議論する上で見逃すことができない数字でしょう。(出所:モーニングスター)

(I):米国では、ファンドに対するコスト意識が高まっていますが、インデッ   クス・ファンドの価格競争は投資家にとってどのような意味があるので   しょうか?

(S):投資家にとっては朗報といえると思います。そして、業界においてファ   ンドのコストが重要視されつつある表れともいえるでしょう。実際、バ   ンガードは低コストの重要性を30年間にわたって訴え続けてきたのです。-----
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