世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
早くからデヴィッドは「投資の基本」がわかっていました。それは一部の投資家にとって会得するまでに長い時間を必要とするものです。
「投資を成功に導く最大の秘訣は、投資に関わる“コスト”を低く抑えること。コストはただ一つ投資家自身でコントロール可能なものだからです」
デヴィッドは数字に強く、大学ではファイナンスを専攻していました。20年近く個別株と投資信託(ファンド)の両方に投資してきました。小さなスポーツマネージメント会社を経営し、その利益を元に築いた資産は数十万ドルになります―28歳という若さを考えれば驚くべき金額です。
彼がその若さに似合わぬ投資の知恵を身に付けた過程を見てみましょう。
デヴィッドが投資を始めたのは10歳の時。きっかけは、彼の父親が勤める大手保険会社の株式を少し分けてもらったことでした。「当時の私は株が何なのか理解していませんでした。でも、私は父がくれた株が1980年代にどんどん値を上げていくことにすっかり魅せられてしまったのです。」
大学に入学したデヴィッドは新たに別の株式を購入しました。そのうちのいくつかはリターンを生み、いくつかは損失を出しました。彼は当時の自分を「正しい投資教育を受けた投資家とはとてもいえなかった」と評していますが、それでも「知り合いに言われたからという理由で株式を取引すべきではないということはわかっていました」
その後、彼は小型株・国際株式ファンドに、いくつかの大型株式ファンドを入れて分散化させたポートフォリオを構築しました。しかし、投資したファンドの中には、評価が低いわりにファンドの手数料が高いものが入っていることに気が付いたのです。
デヴィッドはマネー雑誌や投資教育本、ウェブサイトから、性格の似ているファンドの中でも、長い目で見るとファンドコストの違いによって、運用成果に差がでてくる可能性があることを知りました。そのため、彼はコストが自分のポートフォリオのリターンに及ぼすインパクトについて計算し、仮に他の低コストのファンドに投資した場合どうだったかを調べてみました。「私は驚きのあまり声をあげてしまいました。」
まだ若かったデヴィッドは、市場を上回るリターンを得るために、アクティブ運用のセクターファンドに投資するというリスクもとることができました。その際、他の条件が同じであるならば、ファンドは低コストのものを選ぶことが、彼のファンド選択上重要なカギとなりました。
その後、彼は結婚しましたが、それは投資に対する彼の考え方を変えました。「私は間違いなく以前よりも保守的になりました。独身の時の私は、たとえ株式に投資した金額を全て失ったとしても、そのことで眠れなくなることはないと考えていました。でも今はリスクをわかっていますし、結婚してそのような考え方をしなくなりました。私はお金に対してより多くの責任と明確な目的を持つようになったのです」
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