引退のための投資に関する5つの誤解(その2)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

引退のための投資に関する5つの誤解(その2)

 前回に引き続き、米バンガードのウェブサイトにある、ポッドキャスト・サービスから、バンガードの投資カウンセリング&リサーチグループの責任者、エレン・リナルディ氏へのインタビューをご紹介しましょう。

- 「正しく分散投資をするには1ダース以上のファンドが必要だ」という「誤解」があります。ファンド選びが適切であれば、1つか2つのファンドだけでも分散投資が可能なのですね。

リナルディ氏:そうです。まず、分散投資に関して覚えておきたいことは、分散投資はリスクを抑えるためにするものだ、ということです。それが分散投資の目的です。「リターンを増やすのでなく、リスクを減らす」のです。
分散投資をすることで、結果として、株式、債券、キャッシュなどの資産クラスにリスクが分散され、一つの資産に集中するリスクを減らすことになるのです。

そして「では何に投資すればいいのか?」という疑問が浮かんでくるでしょう。一つのファンドに複数のファンドを組み込んで分散させたファンド・オブ・ファンズに投資するのもいいかもしれません。

分散投資をする際に知っておくべきことは、ごく一般的な知識、つまり、市場は周期的に動いており、株式市場が強くなったり債券市場が強くなったりする、ということです。引退資金を守るためには、株式と債券の両方に分散投資しておくべきなのです。

- 自分でポートフォリオを作るのが不安なら、「ターゲット・リタイヤメント・ファンド」などの引退資金用のバランス型ファンドに投資する方法もありますね。

リナルディ氏: 「ターゲット・リタイヤメント・ファンド」のようなバランス型ファンドは、資産配分やポートフォリオの管理に十分に時間が割けない人、投資について多くを勉強したくないという人、投資を選ぶのに助けが必要だと思っている人にとって最適なファンドでしょう。

- 分散投資に関する別の「誤解」は、退職する時にはすべての資産を債券ファンドやMMFなどの保守的な資産に移動させるべきであるというものです。働いている間は、毎年昇給することによってインフレに対処することができますが、引退するとそれは期待できません。リナルディさんは株式ファンドへの投資をやめてしまうことは、ポートフォリオのインフレ対策をやめてしまうことだとおっしゃっていますね。

リナルディ氏: 多くの人が、引退するときは株式市場から引き上げるべきだと考えています。そうした人のために、ポートフォリオへの影響を考えてみましょう。言うまでもなく最も大きな影響は「インフレ対策」です。

完全に株式から債券に資金を移動してしまうと、インフレの影響で実質的なリターンが目減りする可能性があります。ポートフォリオから潜在的な成長の可能性を奪い、市場の上昇の恩恵を受けられないからです。さらに、引退後には医療費や住宅費などの支出が増加して、インフレの上昇についていくことはできないでしょう。

株式から完全に資金を引き上げることが意味するもう一つのポイントは、ポートフォリオの分散を抑え、リスクを増やしてしまうということです。多くの人々は株式から資金を引き上げることはリスクを減らすことだと考えていますが、分散投資という点ではリスクが減ったとは言えないでしょう。引退後の資金であっても、投資リスクのバランスをとる方法は、「適切な分散」なのです。
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