バンガード会長が語る最近の米国経済事情(前半)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

バンガード会長が語る最近の米国経済事情(前半)

最近の米国経済は揺れています。米バンガード会長ジャック・ブレナンの最近の米国経済に対する見解と、今のマーケットとどう向き合うべきかを2回に分けてご紹介させて頂きます。

 金融市場はこの数週間で投資家に多くの問題を提示しました。住宅市場は未だ低迷を続け、経済も減速しているように見えます。米連邦準備理事会(FRB)は金融市場における信用危機を回避し、経済の混乱を鎮静化する為に動きました。

●10月以降、米国株市場はおよそ15%値を下げました。既に株価は不況を“織り込み済み”なのでしょうか?

 さまざまな要因が株価動向の材料となりますが、景気に対する不安感というのもまた確実にそのひとつといえます。ただし、一般的に株式市場は景気の先行指標にはなりますが、不況を予測するものさしにはなり得ません。既に不況の中にいるのか、これから入るのか、または回避されるのか、多くの議論がなされていますが、経済評論家の見方もまた様々です。

 たしかに10月から米国株式市場は15%以上値を下げています。でも見方を変えて5年前の株価と比べてみると、75%近く上昇しています(2008年3月18日現在)。長期で見てみると、良いパフォーマンスをあげた後の今は調整の時期で、喜ばしいものではないかもしれませんが市場の調整は経済活動の自然なサイクルです。

 いずれにせよ市場が調整するのには色々な理由はあるものの、私はここ一連の出来事はある意味金融市場の浄化だと思っています。行き過ぎた住宅市場、金融システムの浄化です。ですから私は将来に楽観的なのです。金融システムのリスクを減らす為に―痛みを伴いながらも―より金融システムを磐石にする為の今は浄化の過程なのです。

●FRBは金融システムを強化する為に―公定歩合引き下げや金融機関への貸出枠の拡大、米JPモルガン・チェースによる米投資銀行ベアー・スターンズの買収支援など緊急対策に乗り出しました。

 それが本当に正しい施策なのか、私には分りませんがFRBの迅速で創造的な対処は市場を落ち着かせる一定の効果はあったと思います。ただそれでマーケットは安定するでしょうか?FRBやその他機関の一連の対応が現状の信用危機の問題を解決出来るという確証があるでしょうか?その答えは“ノー”です。しかし、次第にこのシステムは収束に向かって機能し始めていると思います。もちろん、その収束がいつかを正確に予想するつもりはないですが。昨年半ばに噴出したサブプライム問題に関して私たちの見解は―大抵の投資家の見解でもありますが―いずれ時間が解決してくれるものだと思っています。それには時間がかかるとは思いますが、FRBの打ち出した対策が明るい未来への第一歩になることを期待します。

●ベアー・スターンズの一件を投資家はどう認識したら良いのでしょうか?
 ベアー・スターンズを襲った信用危機のスピードはわずか7日間で米証券業界第5位の座から転落するという歴史的に言っても目を見張るものでした。たしかにそれ自体は悪いニュースですが、金融システムとその関係者がすぐに対応したという点は良いニュースだと考えられます。
楽観論者として、また投資の求道者として言うならば、マーケットが良い方向、または悪い方向に振れたとき金融システムがいかに迅速に対応出来るか今回試されたのだと思います。深刻な状況に発展しうる問題に対し迅速に対処したという事は評価に値します。しかしそれはまた、リスク要因が過小評価されることがいかに大きな問題につながるのか、投資家への教訓にもなったと思います。
 次回は今のマーケットとどう向きあうべきかをお話します。

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