バンガード会長が語る最近の米国経済事情(後半)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

バンガード会長が語る最近の米国経済事情(後半)

●今回の下げ相場で投資家はポートフォリオや投資戦略を変えるべきでしょうか?

 今までこの“バンガード・海外投資事情”をお読み頂いている方には、私たちがずっと「長期・分散・低コスト」での投資を提唱し続けていることを、既にご存知かと思います。私たちはポートフォリオを短期的な目先の事象にとらわれて組むのではなく、長期的な展望で組み立てるものだと思っています。私たちが支持する短期的な戦術とは、ポートフォリオの投資配分の比率を調整する“リバランス” (相場の変動などで変化した投資配分の比率をポートフォリオの一部の売却または買い増しをして調整すること)だけです。もしあなたが株式を購入して債券を売却するなど各資産クラスをリバランスしたいと願うなら、最初に立てた投資戦略に基づいて行うべきです。下げ相場や景気減退局面で株価が下がっているからと言ってポートフォリオをむやみに変更したり、株価が底を打ったと早計に判断してアセットアロケーションを変えるべきではありません。あなたの資産目標は目先数年間の景気の波よりももっと長期的な視点で戦略を立てるべきなのです。核となる鉄則は“バランスのきいた分散投資”です。

 マーケットの短期間の動きを出し抜こうとしてもしばしば徒労に終わります。“伝説の投資家ウォーレン・バフェット”も「何もしない、ということは有効な投資法のひとつである」と言っています。

●間もなく引退を迎える投資家はどうしたらいいのでしょうか?

先ほどの繰り返しとなりますが、やはり3年や4年といった短期の視点では考えないことです。あなたが引退してもあなたのお金まで引退しません。あなたのお金は25年も30年も、いえ40年だって働き続けます。多くの人にとって引退後のポートフォリオが短期の投資であってはならないのです。

 引退を迎えた投資家の方にひとつ注意を促したいのは・・・私たちはいくつかの債券市場を除いて現在低金利の環境下にいます。国債やMMFなど高格付の債券の利回りが落ちてくると、どうしても高利回りの債券に手を出したくなるのが人情です。ですが高利回りの債券は国債に比べると、それだけ追加のリスクがあるということです。目先の金利の高さのみにつられて投資先を選ぶことは危険なことです。

●目先の相場変動の“雑音”に耳を貸さないで・・・

 「言うは易し」で直ちにその雑音を消し去るのは難しいことです。住宅市場問題を発端とするサブプライムローン問題、ベアー・スターンズへの救済措置、そしてFRBの公定歩合の引き下げと、次から次へと大きな出来事が新聞の見出しを飾り、TVはそれらをトップニュースとして伝えます。この一連の出来事への理解を深めることは良いことですが、あまりそれらにとらわれないことが大切です。

 私はいつも投資家の皆様には市場のストレスに晒された時にどう反応するのかを自分自身の経験でもって理解して欲しいと言っています。自分自身を思い返してみて下さい。もしあなたが過去10年に亘って投資経験があるならば、あなたはご自分の反応を測る機会が何度もあったということになります。

 10年前、あなたは隣人がITバブルで大儲けした話を聞いて羨ましく思いましたか?ITバブルを高値で売り抜けることができましたか?21世紀の最初の2、3年で株価が大きく下がった時、あなたはどのような反応をしましたか?そのときまだ投資する気力がありましたか?もし気力があったならその投資スタイルを続けて下さい。

 あまり細かくポートフォリオを検証しすぎることもよくないことです。いつでも全ての投資に成功しているという状態はありえません。常にパフォーマンスの良いものもあれば悪いものもあります。それが良くも悪くも分散投資なのです。損をしているとつい売ってしまいたい衝動に駆られると思いますが、思い出して頂きたいのはあなたのポートフォリオにおける各資産クラスは、より長期の戦略的な配分によって運用されなければいけないということです。ポートフォリオ全体を見て、あなたの長期運用のニーズに合っていることが大切です。

 同時に“睡眠テスト”にも合格しないといけません。もし最近の新聞の見出しによって夜も眠れなくなっているようならば、ちょっと立ち止まって自分の投資法を考え直し、ポートフォリオのリスクを減らした方が良いでしょう。全体的にバンガードの投資家の方々はマーケットの動きによく耐えていらっしゃると思います。

 マーケットで何が起ころうとも、私達が意識すべき“長期的な視点を持ちバランスのきいた分散投資を行う”ことは常に変わらないのです。


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