制限のある今こそ、
本当に大切なものを見つけたいジュリ・エドワーズ／ヨガインストラクター

保護犬を迎え、毎日が幸せ

『IGNITE YOGA STUDIO』を主宰するヨガインストラクターのジュリ・エドワーズさん。より多くの人が取り入れやすいようにモダンに解釈したスタイルで、ヨガ界に新風を巻き起こした。ジュリさんの心を整えてくれるのは、ヨガだけではない。昨年、家族に迎えたフレンチブルドックの保護犬・ボル子の存在も大きい。

保護犬との接点は、4年前の東京マラソン。保護犬の譲渡を行う団体のチャリティアンバサダーを務めたことが縁で、保護犬の活動にエネルギーを費やすようになった。

「ブリーダー放棄犬のボル子は、ものすごく暴れん坊で、一時預かりのボランティアさんをとても困らせていました。でも、不思議なことにお試しで預かったその日に、びっくりするくらいいい子になったんです。お聞きしたところ、保護犬は、自分が安心できる居場所が見つかると、落ち着くことがあるのだとか。ボル子は、お部屋のトイレシートでおしっこができないので、１日２，３回必ず散歩に行かなきゃいけなくて、朝早いとため息が出ちゃう（笑）。でも、ボル子が来てから毎日が楽しくて幸せなんですよね。本当に大切な存在です」

予想外のリターンを生んだ
無料配信ライブ

今でもサポーターとして、毎月団体への寄付を欠かせない。ボル子専用のSNSアカウントでは、犬との豊かな暮らしを発信。保護犬への関心を少しでも高めたいという。ジュリさんがSNSのパワーを実感したのは、昨年、コロナ禍で行ったインスタライブでのヨガレッスンの配信だ。外出もままならず、多くの人が体を動かす場所を失い、閉塞感から心のバランスを失いがちだったあの時期に毎朝、無料でスタジオレッスンの配信を行った。

「当初、スタジオのメンバーさんだけに向けてクローズドの動画を送ることも有料にすることも考えました。でも、ヨガに対するハードルをできるだけなくしたかったし、あの時は無料ということに意味がある、必要だと思ったんです」

無料配信という思い切った投資は、大きなリターンを生んだ。1600人を集める規模となったインスタライブは大きな話題を呼び、スタジオの知名度がアップ。そして、計画したオンラインスタジオの資金をクラウドファンディングで募ると、1800人以上から2700万円も集まった。インスタライブに助けられたという人たちからの熱い気持ちが、スタジオ経営を支えてくれたのだ。

「不安な日々の中で、ヨガを生活に取り入れたことで救われたというメッセージをたくさんいただいて、ものすごく感動しました。１年経った今でも、この話をすると鳥肌が立つほどです。お母さんと電話で『今日はヨガやるの？』と話すことが、毎朝の日課になったという方が、お母さんとお二人でスタジオに会いに来てくださったこともありました」

お金は自己実現と
生きるためのエネルギー

ヨガのインストラクターやスタジオ経営者としても、保護犬活動に取り組む時も、大事にしているのは“パッション”。「自分自身が成長し続けるために、もっともっとやりたいことの可能性を広げていきたい。だから、頑張れる」と熱く語る。やりたいことのひとつが、東京以外での拠点づくりだ。

「おかげ様でオンラインのプラットフォームができたので、東京とは違う場所で何かできたらと思っていて、今は、インスピレーションが沸くのを待っているところです。でも、やりたいことを実現するには、資金が絶対に必要になってきますし、そもそもお金がなければ、生きてさえいけないですよね。そういう意味で、私にとってのお金は、自分自身の可能性を広げてくれるものであり、生きるためのエネルギー。だからこそ、ちゃんと向き合うべきだと考えるようになりました」

ここ最近、オンライン講座で、株式投資について学び始めた。考えを実行に移すところが、アクティブなジュリさんらしい。「正直、よくわからないんですけどね」と笑うが、お金について学ぶ必要性を改めて実感中。

「お金への苦手意識があるので、避けてきたところがあるんですが、そういう人ほど勉強しなきゃいけないものだなって感じますね」

ヨガと株式投資。対極に思えるが、ヨガでマインドの健康を保つことと、株式投資で手にしたお金から得られる精神的な安心感は、実はそう離れていないのかもしれない。

「私は、スノーボードでも旅行でも何でも、楽しいことは自己投資だと思うタイプ。コロナ以前は、いろんな楽しみに投資してきましたが、さまざまなことが制限されている今だからこそ、自分にとって本当に大切なこと、投資する価値のあることが見えてくるような気がします。いったい、自分は何に対して投資したいのか。いったん立ち止まり、じっくり考えて、しっかり投資先を選べる自分になっていきたいですね」