Vol.7 外国債券投資の魅力 その4(信用リスク)

グローバルな資産運用、リスク管理および投資顧問サービスを提供している資産運用会社、ブラックロックが、その運用手法をつまびらかにします。(現在は更新しておりません)

Vol.7 外国債券投資の魅力 その4(信用リスク)

 今回は外国債券投資に係る信用リスクについてお話します。
皆さんが人にお金を貸す場合、貸した先がきちんと約束を守って、元本や利息を支払うかどうかが心配になるはずです。例えば、お金に困っている人にお金を貸すと、利息も元本も返ってこないリスクが高いと考えられますが、このように、貸した先がきちんと約束を守って、元本や利息を支払うかの可能性を表すものが『信用リスク』です。

したがって、貸す側としては元本や利息が支払われない場合に備えて、リスクに見合った金利を貰わないと合わない、と言うことになります。
そこで、信用リスクが高い人にお金を貸す場合には、どの程度金利を上乗せすればよいのでしょうか?

簡単な例で説明しますと、仮に、今の5年の市場金利が3%とし、5年後に元本が戻ってこない確率が100%の人にお金を貸す場合、いくらの金利を貰えばよいでしょうか?
このケースでは、通常の3%の金利に、戻ってこないかもしれない元本100%を5年間均等に20%ずつ上乗せして、つまり23%の金利を貰えばよいと言うことになります。同様に、5年後に元本が戻ってこない確率を50%としますと、10%上乗せして13%の金利にすればよいと言うことになります。
このように元本や利息が支払われないに状態に陥ったことを『デフォルト』、そしてその確率を『デフォルト率』といい、デフォルト率が高いほど、信用リスクが高いと言うことになります。

つまり、債券に付いているクーポンが高いということは、裏を返せば、信用リスクが高いと言うことになります。
債券の発行元は、国、地方公共団体、企業などさまざまですが、これらの信用リスクを見る上での一つの目安として『格付け』というものがあります。これは格付け専門会社が債券の発行元の財務内容等を調べ、信用度に応じて格付けを付しています。例えば、AAA(トリプルA)、AA(ダブルA)、A(シングルA)・・・B(シングルB),CCC(トリプルC)・・・といった具合に、AAAが最上級で、Cクラスに向かうほどリスクが高いことになります。ちなみに日本の国債は、平成19年4月にAA(S&P社の格付け)へ格上げされました。

 2001年12月に米国の電力・ガスの販売最大手であったエンロンという会社が、2002年7月には米国大手通信会社であったワールドコムが破綻し、エンロン・ワールドコム事件として世界の金融市場が大混乱したことがありました。両社とも優良企業であるとの評価で高い格付けが付与されていましたが、粉飾決算や不正経理が行われていました。

 足下では、サブプライムローンを証券化した金融商品に付された格付けが適正を欠いていたとの批判が格付け会社に向けられました。

 このように格付けが全て発行元の信用リスクをカバーしているとは言い切れませんが、投資する際の目安になると考えられます。

 ブラックロックの「US・ユーロ債券ファンド」は、国債だけではなく、政府機関債、社債、MBS、CMBS、ABSなどに投資をしています。平成19年8月31日現在、米国債券は、AAAが91.5%、AAが3.9%、Aが2.7%、BBBが1.9%と高格付けの債券で構成されています。また、ユーロ債券も同様に、高格付けの債券で構成されています。このように同ファンドでは、高格付けの債券を保有しているので、裏を返せば、利回りが低いと言うふうに思われるかもしれませんが、資産担保証券の組み入れを増やすことによって、利回りアップを行っています。

 そこで次回は、資産担保証券とそれに伴う期限前償還リスクについて詳しくお話いたします。

※「ブラックロック・US・ユーロ債券ファンド」はマネックス証券でお申込みいただけます。
http://www.monex.co.jp/FundGuide/00000000/syohin/tousin/kihon/guest?MeigCd=++0035070000
投資信託をお申込みの際には、「目論見書」にて詳細をご確認ください。
・・「ブラックロック・US・ユーロ債券ファンド」に関する重要事項・・・・
□リスク
・ ファンドの基準価額は、組入れられている有価証券の値動きの他、為替変動 による影響を受けます。したがってファンドの投資目的が確実に達成される ものではなく、元金および元金からの収益の確保が保証されているものでは ありません。
・ 当ファンドの基準価額の変動要因としては、「固定利付債および変動利付債 投資のリスク」「為替変動リスク」「期限前償還リスク」「オプション、先 物、その他投資手法のリスク」「ファンド運営上のリスク」などがあります。・ 詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)本文の「投資リスク」に関する 項目をご覧ください。

□手数料等
・申込手数料(税込):1.05~0.525%
・解約手数料:0%
・信託財産留保額:ありません
・信託報酬(年率・税込): 純資産総額に対して 1.0395%
・上記以外にも保有期間中に間接的にご負担いただく費用があります。詳しく は投資信託説明書(交付目論見書)本文の「手数料(費用)」に関する項目 をご覧ください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・債券取引に関する重要事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
□リスク
【価格変動リスク】
・途中売却の場合、市場金利の上昇等による債券価格の下落など売却時の債券 市況の変動により、購入価格に比べ売却価格が下落し、投資元本を割り込み、 損失(元本欠損)が生じるおそれがあります。また、購入価格が額面を超え ている場合、償還時に償還差損が発生し、投資元本を割り込み、損失(元本 欠損)が生じるおそれがあります。
【信用リスク】
・発行者の経営、財務状況の変化およびそれらに対する外部評価の変化などに より、元本や利息の支払い能力(信用度)が変化し、投資元本を割り込み、 損失(元本欠損)が生じるおそれがあります。
【為替リスク】
・外貨建て外国債券は、外国為替相場の変動などによりお受取金額が変動し、 外貨建てでは投資元本を割り込んでいなくても、円換算での投資元本を割り 込み、損失(元本欠損)が生じるおそれがあります。また、主要通貨以外の 通貨では、大幅に為替レートが変動する場合があるため、急激な円高により 外貨建てでは投資元本を割り込んでいなくても、円換算での債券価値が元本 を大きく割り込み、損失(元本欠損)が生じるおそれがあります。

□手数料等
・債券をお取引される場合には、購入対価がかかりますが、取引手数料はかか りません。
・外貨建て外国債券をお取引される場合、所定の為替手数料がかかります(外 貨建てMMFから直接ご購入される場合には、必要ありません)。

□その他
・目論見書が発行される債券につきましては、お申込み/ご購入の際に「目論見 書」で内容をご確認ください。
・金融商品取引法第37条の6の規定の適用はなく、クーリング・オフの対象と はなりません。
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