グローバルな資産運用、リスク管理および投資顧問サービスを提供している資産運用会社、ブラックロックが、その運用手法をつまびらかにします。(現在は更新しておりません)
CMBS(Commercial Mortgage Backed Securities)は、アセット・バック証券(資産担保証券)の一種で、ホテル、オフィスビル、スーパーマーケットなどの商業用不動産向けに実施されたローンをひとまとめにして、これらを担保にした証券化商品のことです。通常、SPC(特別目的会社)がローンを購入して、これを担保にCMBSを発行します。
CMBSの元利金の支払いは、裏付けとなっているホテル、オフィスビルなどの不動産から生まれるキャッシュフロー、リファイナンス、売却代金などによって行われるため、CMBSを評価する場合には、利払い資金や償還金が予測どおり受け取れるかが、重要なポイントとなります。
また、CMBSにおいては、不動産の購入者に対するローン額と当該不動産の評価額の比較することによって、それが信用補完として十分な水準かどうかの評価が格付けを決める上での要件の一つとなります。
日本では、融資対象の不動産を担保に取ったうえに追加担保や個人保証を求めるリコースローン(遡及型融資)が一般的ですが、米国では、ローン返済ができなくなったときに、担保になっている資産以外に債権の取り立てが及ばないノンリコースローン(非遡及型融資)が主流になっており、担保割れの状態になっていてもほかの資産からの回収ができないために、厳密で精度の高い評価が必要になります。また、一般のローンより金利は高めになっています。
このようにCMBSでの運用には、裏づけとなっている不動産や構造上の評価など、専門的な知識や経験が必要になります。
弊社グループのCEO、フィンクを始め、ブラックロック設立時のメンバーの多くは、設立以前はファースト・ボストン社でフィンクの指揮の下、市場で初めてモーゲージ担保証券(CMO)、アセット・バック証券、優先・劣後型の信用補完を備えたストラクチャード・プロダクトの開発に従事した人たちであり、証券化商品のパイオニアでもあります。
こうした運用経験を下に、ブラックロックの「US・ユーロ債券ファンド」では2008年3月末現在、主たる投資先である「ブラックロック米国債券マザーファンド」で約12%、MLIIF ユーロ・ボンド・ファンドで約4%、それぞれCMBSを保有しています。
昨年の夏以降、サブプライムローン(米国の信用力の低い個人向け住宅融資)問題に端を発した信用収縮の動きを受け、投資家が信用リスクに敏感となったことで、証券化商品の買い手がいなくなり、CMBSと米国債とのスプレッド(利回り格差)は拡大の一途を辿りました。この背景には、買い手が不在といった需給の悪化に加え、サブプライムローン問題の影響から個人住宅市場が低迷し、個人住宅価格の下落が商業不動産へも波及するのではないかといった懸念から、先物市場での売りがCMBSのスプレッド拡大に拍車を掛けたと考えられます。信用スプレッドが拡大しているということは、裏を返せばリスクに見合って利回りが高くなっているということです。
ブラックロックの「US・ユーロ債券ファンド」では、CMBSをはじめとした証券化商品に関する専門的な知識と運用ノウハウを活かし、国債との信用スプレッドのバリュエーション比較などを通じ、ポートフォリオの中に多種多様な公社債を組み込むことによって安定した収益の確保を目指しています。
次回は、コンベクシティについてお話します。
※「ブラックロック・US・ユーロ債券ファンド」はマネックス証券でお申込みいただけます。
http://www.monex.co.jp/FundGuide/00000000/syohin/tousin/kihon/guest?MeigCd=++0035070000
投資信託をお申込みの際には、「目論見書」にて詳細をご確認ください。
・・「ブラックロック・US・ユーロ債券ファンド」に関する重要事項・・・・
□リスク
・ ファンドの基準価額は、組入れられている有価証券の値動きの他、為替変動による影響を受けます。したがってファンドの投資目的が確実に達成されるものではなく、元金および元金からの収益の確保が保証されているものではありません。
・ 当ファンドの基準価額の変動要因としては、「固定利付債および変動利付債投資のリスク」「為替変動リスク」「期限前償還リスク」「オプション、先物、その他投資手法のリスク」「ファンド運営上のリスク」などがあります。・ 詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)本文の「投資リスク」に関する項目をご覧ください。
□手数料等
・申込手数料(税込):1.05~0.525%
・解約手数料:0%
・信託財産留保額:ありません
・信託報酬(年率・税込): 純資産総額に対して 1.0395%
・上記以外にも保有期間中に間接的にご負担いただく費用があります。詳しくは投資信託説明書(交付目論見書)本文の「手数料(費用)」に関する項目をご覧ください。
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マネックスからのご留意事項
「ブラックロックが語る、資産運用の全貌」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。