グローバルな資産運用、リスク管理および投資顧問サービスを提供している資産運用会社、ブラックロックが、その運用手法をつまびらかにします。(現在は更新しておりません)
今回は債券ポートフォリオのお話をします。
ポートフォリオとは複数の資産や銘柄を組み合わせることをいいます。一つの資産や銘柄だけを保有するよりも、複数のものを組み合わせた方がリスクを抑える効果があると言われています。債券はその残存期間の長短によって、短期債(1年以内)、中期債(2年〜5年)、長期債(6年〜10年)、超長期債(10年超)に区分されますが、債券のポートフォリオ運用においては、こうした残存期間(償還までの期間)の異なる債券を組み合わせるのが一般的です。
本コラムの第5回(金利リスク)でもお話いたしましたが、債券は、金利が上昇すると価格が下落し、金利が低下すると価格が上昇する、といった関係になっています。
例えば金利が1%上昇した場合、残存期間の短い短期債券に比べ、残存期間の長い長期債券のほうが債券価格の値下がりが大きくなります。つまり、期間の長い債券に投資するほうが、より大きな金利変動のリスクにさらされることになる、ということです。
具体的に金利が上昇した場合に残存期間が2年と6年と10年の債券ではどのくらい価格変動に差があるかを計算してみましょう。
例えば残存期間2年(クーポン2%、利回り2%)の債券の価格は、話を簡単にするため単利で計算すると、{100+(2年×2%)}÷{100+(2年×2%)}=100となります。残存期間6年(クーポン6%、利回り6%)の債券と、残存期間10年(クーポン10%、利回り10%)の債券も同様に、100となります。
そこで、2年、6年、10年の金利がともに1%上昇し、それぞれ利回りが3%、7%、11%になった場合、2年債の価格は、{100+(2年×2%)}÷{100+(2年×3%)}≒98.1となり、同様な計算で、6年債は95.7、また、10年債は95.2となります。残存期間が長いほど価格変動が大きくなる、という結果になりました。
通常の債券のポートフォリオには、残存期間によって、(1)ラダー (2)バーベル (3)ブレットの三つの代表的な組み合わせがあります。(1)のラダー(はしご)は、各年限のものを均等に組み合わせる方法で、仮に運用資金を300万円だとすると、先の例では2年債、6年債、10年債に100万円ずつ均等に投資するようなポートフォリオを言います。(2)のバーベル(ダンベル)は、両端に投資する、つまり先の例だと2年債に150万円、10年債に150万円投資することになります。(3)のブレットは、一定の年限に集中、つまり先の例だと6年債にのみ300万円投資することになります。お気づきかも知れませんが、この3つポートフォリオの平均残存期間はいずれも6年と同じです。しかし、金利が1%上昇した場合の価格変動は、(1)のラダーが{(98.1+95.7+95.2)÷3=}96.33 (2)のバーベルが{(98.1+95.2)÷2=}96.65、(3)のブレットが95.7とそれぞれ違いが出ます。それは3つポートフォリオの平均残存期間は同じでもデュレーションが違うからです。
以前にも何回かお話しましたが、デュレーションは金利の変化に対する価格の感応度を表しています。
3つのポートフォリオのデュレーションを計算すると、(1)が4.65年、(2)が4.37年、(3)が5.21年となり、デュレーションが一番短い(2)の価格変動が100から96.65と価格変動が一番少なくなっている一方、デュレーションが一番長い(3)が100から95.7と価格変動が一番大きくなっています。
ブラックロックの「US・ユーロ債券ファンド」のポートフォリオにおいても、残存期間の異なる債券を組み合わせることでデュレーションを調整し、金利リスクをコントロールしています。
次回は、今回の知識をベースに実際の債券ポートフォリオ運用戦略についてお話します。
※「ブラックロック・US・ユーロ債券ファンド」はマネックス証券でお申込みいただけます。
http://www.monex.co.jp/FundGuide/00000000/syohin/tousin/kihon/guest?MeigCd=++0035070000
投資信託をお申込みの際には、「目論見書」にて詳細をご確認ください。
・・「ブラックロック・US・ユーロ債券ファンド」に関する重要事項・・・・
□リスク
・ 当ファンドは、米ドル建ておよびユーロ建ての公社債を実質的な投資対象と しますので、組入債券の価格の下落や、組入債券の発行会社の倒産や財務 状況の悪 等の影響により、基準価額が下落し、損失を被ることがあります。 また外貨建資産に投資しますので、為替の変動により損失を被ることがあ ります。したがって、投資元金が保証されているものではなく、基準価額の 下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
・ 当ファンドの基準価額の変動要因としては、「固定利付債および変動利付債 投資のリスク」「為替変動リスク」「期限前償還リスク」「オプション、先 物、その他投資手法のリスク」「ファンド運営上のリスク」などがあります。・ 詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)本文の「投資リスク」に関する 項目をご覧ください。
□手数料等
・申込手数料(税込):1.05〜0.525%
・解約手数料:0%
・信託財産留保額:ありません
・信託報酬(年率・税込): 純資産総額に対して 1.0395%
・上記以外にも保有期間中に間接的にご負担いただく費用があります。詳しく は投資信託説明書(交付目論見書)本文の「手数料(費用)」に関する項目 をご覧ください。
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