若手社員の脱力系コラム。脳天気キャラのトホホな日常にあなたも失笑!?とりあえず毎回の「追伸」だけは必見。(毎営業日更新)
こんばんは。本日5月9日は明治から大正にかけて活躍した自然主義作家、岩野泡鳴の忌日。このへんの時代の自然主義的私小説、作家が自分自身の身の上を綴った作品が大好き、ぼすみんです。
今でこそ作家というと知的でステイタスの高い職業といった印象ありますけど、当時の文壇は世捨て人、人生ドロップアウト組が多く、彼らが自己破壊的ともいえる生き様を書き殴った破滅型私小説は凄まじい迫力!まるで命を削るように悶え苦しみながら記したのが手に取るように分かり、これは読んでいて圧倒されることしきりです。
冒頭で紹介した岩野泡鳴は離婚を繰り返すわ、芸者に溺れるわ、愛人との心中に失敗するわ、樺太まで渡って事業に失敗するわと波乱万丈・人生ロックンロール作家の筆頭格!作品の方もさぞブッ飛んでるんだろうな・・・と思いきゃ、意外にも弾けっぷり、壊れっぷりは今ひとつで、小説自体は意外に(?)落ち着いてる印象です。
この時代の作家で今なお高く評価されてるのは葛西善蔵ですが、彼もまた妻と別居、酒に溺れながら別の女性と同棲しちゃうなど、かなりアレ。家賃が滞って二人の子供もろとも家主に追い出され、行くあてもなく途方に暮れるなど作品の方もかなりアレ。その葛西善蔵の編集担当者だった嘉村礒多も妻子を捨てて駆け落ちした人物で、その後の困窮生活は実に読ませます。
そんな私小説の極めつけと言うべきか、はたまた異色中の異色作と言うべきか、なんとも形容できないのが近松秋江(ちかまつ しゅうこう)。講談社文芸文庫から『黒髪・別れたる妻に送る手紙』が出ていますけど、これが凄い!
逃げた妻に宛てて未練タラタラの手紙を書くも、その中身たるや途中からなぜか妻への想いではなく、お気に入り売春婦とのすったもんだ報告に変わってしまうという謎の内容。なんだこれはッ!?元・亭主に風俗体験記を送りつけられる妻の心境、果たしていかに。近松秋江、その逃げた妻の足取りを追いかけて温泉街の宿帳を片っ端からチェックするんですけど、ここで妻の駆け落ち相手が自分の家に下宿してた学生だったことが判明、ポロポロ落涙・・・。これは泣きながら読むべきなのか、笑いながら読むべきなのか?非常に判断の難しい一冊です。ご興味のある方はぜひご一読を。
(追伸)作家先生たちの壮絶すぎる生き様に乾杯!先生といえば、来週16日(月)からは日替わりで4人の先生・・・もとい、4人の講師が登場。『4夜連続・日本株オンラインセミナー』。
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2011/news11056.htm -----
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