若手社員の脱力系コラム。脳天気キャラのトホホな日常にあなたも失笑!?とりあえず毎回の「追伸」だけは必見。(毎営業日更新)
こんばんは。夏休みを満喫中のお子さまたちも、そろそろ宿題の読書感想文をどう片付けるか、悩み始める頃でしょうか?子供の頃は活字が苦手で、本を読まずに感想文を書いてた技巧派・ぼすみんです。
本といえば、CNNのサイトにこんなニュースが。『発禁本で稼ぐ香港の書店 大陸から千客万来』。
発禁本と言っても、エッチな本を連想してはいけません。この本屋、政治的・思想的理由などから中国本土じゃ発禁となってる本を売っており、これを求めて本土から大勢の買い物客が訪れている様子です。中国のメディア規制は有名ですし、ネット上の発言も厳しく検閲されると聞きますが、もはや大衆の知的欲求、自由に自分の意見を主張したいという欲求を抑えきれる時代じゃないのかもしれません。
かく言う日本も、戦前・戦中にはさまざまな発禁本が。代表的なプロレタリア文学作品、小林多喜二の『蟹工船』も発禁となってたほどですが、数ある発禁本の中でも最大の異色作は1907年(明治40年)に出版された『煩悶記』か。
『煩悶記』の作者とされる藤村操(みさお)はスーパーエリート一家に生まれた、サラブレッド的な男子学生。飛び級で編入するなど頭脳明晰で、華々しい前途が約束されていたにも関わらず、旧制一高時代の1903年(明治36年)、謎めいた遺書を残し日光・華厳の滝で投身自殺・・・。享年16。前途洋々たるエリートが自ら死を選んだことは、この当時非常にショッキングな出来事で、大々的に報道された模様です。彼に英語を教えてた、夏目漱石も大ショック。
で、前述の著書『煩悶記』ですけど、いま一度時系列をご確認ください。出版されたのは1907年。藤村操の自殺はそれより4年前の1903年。あれ?お亡くなりになる前に書いたものを、4年後に出版したの??
実はこの『煩悶記』、華厳の滝から身を投げた藤村操が実は生きていて、海賊船に乗り込んで諸国を漫遊、ついにはパリで悟りを開く・・・という荒唐無稽な内容。別の誰かが投身自殺した藤村操になりすまし、好き勝手に冒険譚を書いちゃったという、なんともバチ当たりな一冊なのです。そりゃあ発禁処分にもなるってもんで。
そんな偽書『煩悶記』ですが、発禁などにより珍本化すると価格が高騰するのはこの世の理。2005年の神田古本まつりでは、この本になんと147万円の高値がついたとか。勝手に名前を拝借された藤村操氏、草葉の陰で何を思うか。
(追伸)
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http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G907/sec/index.htm
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