裁定取引(コンバージョンとリバーサル)

毎日の生活に必ず関わってくるのに、なかなか難しいのがお金とのつき合いかた。私たちマネックス証券と一緒に考えていきましょう。マネックス証券では、お金をじっくり殖やしていくための様々な方法を提案しています。

裁定取引(コンバージョンとリバーサル)

裁定取引(コンバージョンとリバーサル)

先物のポジションとオプションの合成ポジション(二つ以上のオプションの組み合わせ)で、「裁定取引」を行うもので、「コンバージョン」と「リバーサル」という二つの方法があります。
「裁定取引」なのでポジションを作る条件は厳しくなりますが、SQ(特別指数清算値)算出日に決済をすると利益を得ることが出来ます。

1.コンバージョン

同じ満期日の同じ行使価格のコールを売り、プットを買うことによって先物の売りポジションと同じ効果が得られます。
これを利用し、日経平均先物の価格が理論価格より安く、一方で、オプションの価格(コール、プットともに)が理論価格通りとなるなど合成先物が高く、先物が安いときにその価格差を得る戦略です。

コンバージョンの具体例

  • ・ ポジション作成日(買建、売建をした日):8月20日
  • ・ 日経平均 12,100円
  • ・ 日経平均先物9月限月 12,050円 → 100枚買付け
  • ・ 日経225オプション、9月限月、行使価格12,000円、コール300円 → 100枚売付け
  • ・ 日経225オプション、9月限月、行使価格12,000円、プット200円 → 100枚買付け

【上記の条件である場合、具体的にSQ算出日の損益は?】

8月20日(ポジション作成日)

先物市場
オプション市場
先物買い:12億500万円
12,050×1,000×100 → 支払い
コール売り:3,000万円
300×1,000×100 → 受け取り
プット買い:-2,000万円
200×1,000×100 → 支払い
合計 1,000万円 → 受け取り
↓

【ケース1】 9月10日(SQ算出日)に、SQ値がポジションを組んだ時の日経平均と変わらないとき。日経平均12,000円

先物市場
オプション市場
決済値段:12億円
12,000×1,000×100
(12億円-12億500万円)
コールの権利放棄による利益:3,000万円
プットの権利放棄による損失:-2,000万円
損益:-500万円  → 支払い
損益:+1,000万円 → 受け取り
合計 +500万円

【ケース2】 9月10日(SQ算出日)に、SQ値がポジションを組んだ時の日経平均より値下がりしたケース。 日経平均11,000円

先物市場
オプション市場
決済値段:11億円
11,000×1,000×100
(11億円-12億500万円)
コールの権利放棄による利益:3,000万円
プットの権利行使による利益:8,000万円
(12,000-11,000)×1,000×100-2,000万円
損益:-1億500万円 → 支払い
損益:1億1,000万円 → 受け取り
合計 +500万円

【ケース3】 9月10日(SQ算出日)に、SQ値がポジションを組んだ時の日経平均より値上がりしたケース。日経平均13,000円

先物市場
オプション市場
決済値段:13億円
13,000×1,000×100
(13億円-12億500万円)
コールの権利行使割り当てによる損失:-7,000万円
(12,000-13,000)×1,000×100+3,000万円
プットの権利放棄による損失:-2,000万円
損益:+9,500万円 → 受け取り
損益:-9,000万円 → 支払い
合計 +500万円
  1. ※コールオプションを売り、プットオプションを買うことによって12,100円で日経平均先物を売建たのと同じ効果が得られる。これと同時に12,050円で先物を買建ることでその差額の50円(500万円)が利益になります。

2.リバーサル

同じ満期日の同じ行使価格のコールを買い、プットを売ることによって先物の買いポジションと同じ効果が得られます。
これを利用し、日経平均先物の価格が理論価格より高く、一方で、オプションの価格(コール、プットともに)が理論価格通りとなるなど合成先物が安く、先物が高いときにその価格差を得る戦略です。

リバーサルの具体例

  • ・ ポジション作成日(買建、売建をした日):8月20日
  • ・ 日経平均 12,100円
  • ・ 日経225オプション、9月限月、行使価格12,000円、コール300円 → 100枚買付け
  • ・ 日経225オプション、9月限月、行使価格12,000円、プット200円 → 100枚売付け

【上記の条件である場合に具体的にSQ算出日の損益は?】

8月20日(ポジション作成日)

先物市場
オプション市場
先物売り:12億1,500万円
12,150×1,000×100 → 支払い
コール買い:-3,000万円
300×1,000×100 → 支払い
プット売り:+2,000万円
200×1,000×100 → 受け取り
合計 -1,000万円 → 支払い
↓

【ケース1】 9月10日(SQ算出日)に、SQ値がポジションを組んだ時の日経平均と変わらないとき。日経平均12,000円

先物市場
オプション市場
決済値段:12億円
12,000×1,000×100
(12億1,500万円-12億円)
コールの権利放棄による損失:-3,000万円
プットの権利放棄による利益:+2,000万円
損益:+1,500万円 → 受け取り
損益:-1,000万円 → 支払い
合計 +500万円

【ケース2】 9月10日(SQ算出日)に、SQ値がポジションを組んだ時の日経平均より値下がりしたケース。日経平均11,000円

先物市場
オプション市場
決済値段:11億円
11,000×1,000×100
(12億1,500万円-11億円)
コールの権利放棄による損失:-3,000万円
プットの権利行使割当による損失:-8,000万円
(12,000-11,000)×1,000×100-2,000万円
損益:+1億1,500万円 → 受け取り
損益:-1億1,000万円 → 支払い
合計 +500万円

【ケース3】 9月10日(SQ算出日)に、SQ値がポジションを組んだ時の日経平均より値上がりしたケース。日経平均13,000円

先物市場
オプション市場
決済値段:13億円
13,000×1,000×100
(12億1,500万円-13億円
コールの権利行使による利益:+7,000万円
(13,000-12,000)×1,000×100-3000万円
プットの権利放棄による利益:+2,000万円
損益:-8,500万円 → 支払い
損益:+9,000万円 → 受け取り
合計 +500万円
  1. ※コールオプションを買い、プットオプションを売ることによって12,100円で日経平均先物を買建たのと同じ効果が得られる。これと同時に12,150円で先物を売建ることでその差額の50円(500万円)が利益になります。

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「先物・オプション講座」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
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