マネックスメール 2005年5月27日(金)

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マネックスメール 2005年5月27日(金)

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 マネックスメール<第1426号 2005年5月27日(金)夕方発行>
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≪本日の目次≫
 1.マネックス・ビーンズ相場概況
 2.資産設計への道 〜その171 こんな商品あなたには必要ですか?
                               内藤 忍 3.相場の世界 −第42回−
 4.投資信託基準価額
 5.マネックス・ビーンズ証券CEO 松本大のつぶやき

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 またバックナンバーは以下でご覧頂けます。
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/index.html

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-1.相場概況
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-米国株高に漸く

日経平均            11,192.33 (△164.39)
日経225先物         11,160 (△110 )
TOPIX            1,132.34 (△ 8.84)
単純平均             422.95 (△ 2.85)
東証二部指数           3,453.78 (△ 12.18)
日経ジャスダック平均       1,907.40 (△ 2.08)
東証一部
値上がり銘柄数         1,070銘柄
値下がり銘柄数          443銘柄
変わらず             130銘柄
比較できず            5銘柄
騰落レシオ            99.68% +10.88%
売買高            12億0562万株(概算)
売買代金        1兆1410億4300万円(概算)
時価総額          351兆5756億円(概算)
為替(15時)          107.82円/米ドル

◆市況概況◆
 漸く米国株高に反応する動きとなりました。寄り付き前に市場筋の推計として伝えられる外国人の売買動向が金額ベースではトントンではあるものの、株数ベースで買い越しと伝えられたことで買い先行の始まりとなりました。それでも、寄り付いた後の先物売りや週末の見切り売りを警戒する動きから、比較的大人しい始まりとなりました。

 寄り付きの買いが一巡した後は、御多分に洩れず目先筋の利益確定売りや戻り売りで上値が重くなる場面もありました。しかし、為替が若干ですが円安となったことや米国ハイテク銘柄が堅調な動きとなったこともあって、ハイテク銘柄や優良株に買いが入り堅調な動きとなりました。先物へのまとまった売りも殆ど無かったこともあって、押し目らしい押し目も見せず、逆に先物へのまとまった買いも入り、じり高で前場の取引を終了しました。

 後場に入ってからも堅調な動きは続きました。5月第3週の投資主体別売買動向でも外国人は売っておらず、証券自己が売り主体であったと伝わったこともあって、下値を売り叩く動きにはなり難く、目先筋の利益確定売りをこなしながら堅調な動きが続きました。昼の市場外取引は金額はさほど多くなく、売り越しと伝わりましたが、慌てて見切り売りを出す動きもなく、市場への影響は殆どありませんでした。それでもさすがに週末ということで積極的に買い上がるような動きもなく、底堅いながらも上値の重い、「いつもの」相場展開となりました。銀行株等が軟調なことからTOPIXの上げは限定的となりましたが、大引けはインデックス買いが入り、日経平均、TOPIXともに高値引けとなりました。

 前場からHOYA(7741)が上場来高値を更新、松下(6752)やキヤノン(7751)も高値を更新するなど、いわゆる優良株に高いものが多く、指数を押し上げる動きとなっていました。一方、銀行株は軟調な動きとなるものが多く、上値を押える要因となっていました。月末近くの週末ということでディーラーの積極的な動きは見られないものの、機関投資家ではないかと見られる買いが好業績銘柄を中心に幅広く入り、小型株も底堅い動きとなったことで、全体に買い安心感が広がったような感じです。

 (マネックス・ビーンズ証券 清水洋介)

◆テクニカルコメント◆
チャートの簡単な説明を用意しました。下記をご覧ください。
http://www2.monex.co.jp/j/asa/Setsumei.htm

 ☆日経平均・TOPIX☆

 遅行線が4月18日の大陰線と絡み、漸く動きが出てきそうです。引け値ベースで見ると遅行線が日々線を上回った格好となり、上に抜け易い状況となりました。週明け早々に11,200円を抜けてくるような展開になれば、雲の薄いところを目指し、一気に上値追いの展開となってくるかもしれません。
→ http://www2.monex.co.jp/j/asa/Nikkei.htm
→ http://www2.monex.co.jp/j/asa/Topix.htm

 ☆日経ジャスダック平均☆

 雲を下回り「売り時代」、「三役逆転」となってしまいましたが、遅行線と日々線が「底−底」一致となる可能性もあり、RSIやストキャスティックスも底値圏となっており、ここからは底堅い動きとなってくるかもしれません。→ http://www2.monex.co.jp/j/asa/Jasdaq.htm

 ☆債券先物☆

 上値の重い展開が続いています。一気に上値を抜けなかったことで、「二番天井」のような格好となる可能性もあります。基準線の上昇も止まるところなので、一服となる可能性もあり、基準線までの調整となる可能性もあります。→ http://www2.monex.co.jp/j/asa/Jgb.htm

 ☆為替(ドル円)☆

 引続き遅行線が日々線に絡んだ動きとなっています。上に抜けきれず、「天−天」一致の形で下落するパターンと、ここから上に抜けるパターンが考えられ、明日以降の動きで上下の判断をしてもいいのかもしれません。RSIやストキャスティックスは高値圏にあり、いったん下落となりそうですが、明日以降上に行けば上、下に行けば下、と考えます。
→ http://www2.monex.co.jp/j/asa/Jpy.htm

 個別銘柄分析 −ユニデン(6815)−
 大幅下落となりましたが、A〜Bと同値幅をBからとった値幅(「E計算値」と言います)を達成し下げ止ったものと思われます。ここから目先的には「窓埋め」というよりも、その前に昨年12月、今年1月につけた安値(「S点」)までの戻りを目指す動きとなるものと思います。
→ http://www2.monex.co.jp/j/asa/K6815.htm


◆個別銘柄◆ 銀行株が安く、ハイテク優良銘柄は高い
ユニデン(6815) 1,654円(△17)
 インターネット通販でコストを抑えた32インチ型で13万円台の液晶テレビを発売し、デジタル家電事業に参入すると報じられたことを好感して買われました。業績見通しの下方修正などで大きく売り込まれていただけに、買いが入り易い環境にあったようです。

松 下(6752) 1,645円(△1)
 商品価格の低下が続いていた白物家電が、高機能化で復権し、店頭価格が上向く製品も多いと報じられたことで、シェアトップの同社の収益拡大を期待した買いが入りました。米株式市場が堅調となったことも後押ししたようです。
がんこ炎(3340) 1,438円(△200):100株単位
 コロワイド(7616)が同社を株式公開買い付けにより買収すると発表したことで、買い付け価格にサヤ寄せする動きとなりました。

本間ゴルフ(7884) 126円(▲80):100株単位
 2005年3月期の決算書類に対し、監査法人が意見不表明としたことを受けてジャスダック証券取引所が同社株を監理ポストに割り当てたことを嫌気し、売りに押されました。ストップ安で本日の取引を終えています。

小野薬(4528) 4,860円(▲700):100株単位
 市場では国際戦略商品として期待されていた脳こうそく急性期治療剤「プログリア」の北米での開発を中止すると発表したことを嫌気し、見切り売りを集めて大幅安となりました。

住阪セメ(5232) 261円(△7)
 4月のセメント需要実績が、国内と輸出ともに販売量が前年同月比を上回ったとのセメント協会の発表を好感して買いを集め、5営業日ぶりに反発となりました。

ACCESS(4813) 1,830,000円(▲400,000):1株単位
 野村証券を割当先とする500億円の無担保転換社債型新株予約権付社債を発行すると発表したことで、将来的な需給の悪化と株主利益の希薄化を懸念した売りを集めました。ストップ安となっています。

◆ランキング◆
東証一部値上がり上位
 ここまで大きく売られた銘柄などが反発しています。

東証一部値下がり上位
 業績悪化銘柄と材料株が目立ちます。

東証一部売買高上位
 材料含みのディーリング銘柄が多くなっています。

東証一部売買代金上位
 主力宇優良銘柄が上位になっています。

詳細は→
http://www2.monex.co.jp/j/monex_asa_mail/rank.htm

※株式分割銘柄に関してはマネックス・ビーンズ証券のウェブサイトにログイン後、「投資情報」→「株式周辺情報」→「資本異動銘柄」をご覧ください。
 本コラムに掲載される内容は、コメント執筆時における筆者の見解・予測であり、情報の正確性について保証するものではありません。また、内容は予告なく変更されることがあります。なお、本コラムは情報提供のみを目的として作成されたもので、有価証券の売買、為替取引の勧誘を目的としたものではありません。


=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-2.資産設計への道 〜その171
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-「日経マネー」の7月号から1ページのコラムを担当させていただくことになりました。資産を殖やすヒントが書いてありますのでよろしければ書店でご覧ください。
昨日夜は東証に300人以上の方にお集まりいただきもう12回目になる東証さんとの共催セミナーがありました。参加された方の熱気に圧倒されたせいか、終了後、バタバタしているうちにいつも使っていた4色ボールペンを無くしてしまいました。買えば300円くらいのものなのですが、何だか気になって落ち着きません。
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こんな商品あなたには必要ですか?

金融商品は次々と新しいものが出てきます。であるからこそ投資の勉強は継続しなければすぐに時代に取り残されてしまいます。でも新しいから、売れているから、というだけの理由で何となくすすめられて商品を買ってしまうということはありませんか?金融商品は投資の目的によって何を選ぶかが変わってくると思うのです。

●資産設計する人に毎月分配型投資信託は必要か?
毎月分配型投資信託というのがヒット商品のようです。これは主に外国債券に投資をするファンドで毎月決算をして年金のように安定した分配金を支払うようになっている商品です。

海外の金利は日本に比べて高いですから金利収入が例えば4%あれば毎月分配すると12で割れば毎月0.33%くらいにはなる計算です。10000円で33円ということになりますから、税金や手数料などのコストを考えなければ1000万円で毎月3万円以上のお小遣いということで年配の方には人気のようです。

しかし外貨に投資していますから円高になれば元本は減少しますし、金利が上昇すれば債券価格は下落します。このような元本の変動リスクがありながら毎月安定した分配金を支払うというのはどこかおかしい気がします。また分配してしまうと複利で資産を殖やそうという資産設計はできなくなります。要するに元本の増減ではなく目先の手取りを重視する人のための商品なのです。
マネックス・ビーンズ証券でもこのような商品を本格的に販売した方が良いのでしょうか。

●元本確保型投資信託でリスクを限定できるのか?
元本確保型というのもリスクを限定したい人には売れていると言います。これは運用期間を例えば5年間というように設定して5年後には元本が目減りしないで戻ってくることを確保しているのがセールスポイントになっている商品です。
このタイプの商品の運用手法はさまざまですが、一般に5年後に100で償還される割引債を20%から30%割引で購入し、残りの資金で高いリターンを目指す運用を行うようになっています。万が一残りの資金の運用に失敗しても割引債が満期になれば元本は確保されるという仕組みです。

元本確保といってもこの場合は外貨での元本が確保されているだけで円高になれば元本は確保されません。また中途解約すると目減りすることがあります。さらに販売時の手数料や信託報酬などのコストを積み上げると本当に元本が確保されるかどうかは疑問です。これも資産設計をする上では必要ないと思います。

マネックス・ビーンズ証券でもこのような商品を販売した方が良いのでしょうか。

●販売手数料のかかるインデックス投信の存在意義は?
インデックス型の投資信託は運用の基本になる重要な商品です。例えば日本株の運用をするのであればいきなり自分で銘柄選択をするよりも、1万円から購入できるインデックスファンドでまずは運用するのが特に初心者には良いと思います。

インデックスファンドを選択する時のポイントは販売手数料がかからない商品にすることです。例えば日経平均に連動するインデックス型投信であれば運用の成績はそれほど大きな差はありません。どのファンドも日経平均に限りなく近い運用成果になります。とすれば後はコストの問題になります。販売手数料がかからないノーロード型の投資信託を選択すれば投資のリターンはコストが低い分確実に向上します。

外国株式でもノーロード型のインデックスファンドは存在します。例えばトヨタアセット・バンガード海外株式ファンドは日本以外のグローバルな株式市場に1万円から分散投資できるノーロードのファンドですが、販売手数料はかかりません。

スーパーで買い物をするときに同じものが安い値段で別の店に売っている事を知っていればそちらで買うのが普通です。金融商品も同じ品質ならば安いものを買うのは当然です。販売手数料のかからない商品があるのにわざわざ手数料を払う必要はありません。

マネックス・ビーンズ証券で販売しているインデックス型投資信託はすべてノーロード化すべきではないかと私は思っています。

●金融商品選択術
売れているからというだけで何となく買うのではなく自分にとって本当に必要な商品なのか、自問してから購入しなければ投資の本来の目的が達成できなくなってしまいます。またコストはリターンに直接的に影響するものですから無駄な手数料は少しでも節約していきましょう。

どんなに良い商品でも万人に受け入れられるものはありません。自分の目的に合った商品選択をしなければ期待した成果は得られないのです。

今回の話のまとめ---------
●毎月分配型、元本確保型商品は資産設計には使う必要はないと思う。
●インデックス型投資信託は販売手数料のかからないノーロードが有利と考え られる。
●万人に合った金融商品は存在しないと思われる。自分の投資目的から商品選 択をしよう。

ではまた来週・・・。

内藤 忍
http://www2.monex.co.jp/forum/archives/c_naitou/index.html

資産設計について聞いてみたいことがある方はメール件名「内藤」宛で
feedback@monex.co.jp まで(コラムで紹介させていただく場合があります)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-3.相場の世界 −第42回−
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-本間宗久相場三昧伝

−人の意見と自分の意見−

 先週はポジショントークの話をしましたが、自分のポジションや相場見通しをよく人に話す人がいます。「こうやって儲けた」と言う話も良く聞きますがここでは相場の見通しについて人に聞くな、と言う話です。人の話を鵜呑みにするとろくなことはなく、損をすればその話をした人を恨み、儲かれば自分の相場観が正しかったからだ、と妙に納得してしまうことも多いのです。相場をよく見る上でいろいろ人に聞くことはいいことなのですが、しっかりとした、自分の了見も持たずに人の話ばかり聞いていると訳がわからなくなったり、どうしていいかわからなくなるものです。人の意見はあくまで「参考」にして、しっかりと自分の見通しを持ちたいものです。

 何程心安き人にも、売り買い進め申すまじきなり。若し、了見違うときは、恨みを得るなり。すべて、相場高下の論すまじきなり。この道を心得る人は、我が了見を立てず、人の了見にて商いする人はなきはずなり。少々にても図に当たる時は、募り、了見を立てたがるものなり。これ第一つつしむべきところなり。もちろん、たしかなる高下を見定め、打ち明け人に語り進むる時は、人もその気になる故、ニ三俵方も利を得る人は、一俵ならで利運ならざるものなり。たしかなるところを見据え候らわば、人々にかかわらずして、売り買い致すべく候。もっとも世の中に随い、諸国作合い、豊作凶作、上方相場、九州様子、聞き合わせ随分宜しきなり。存念は決して人に語るべからず、是大極意なり。常々専ら慎むべし。

 どんなに気の置けない人でも売り買いを進めてはいけません。もし、見込みが外れたときは恨みを買います。そもそも相場の高い、安いというのは議論するものではないのです。相場というものを良くわかっている人で自分の考えもなく、人の考えだけで売買をする人はいないはずです。少しでも自分の考えが当たったときはここぞとばかりに自分の考えを人に言いたがるものなのです。これは第一に慎むべきことです。もちろん、しっかりと相場の方向性を見極めた上で人に話すときはその人も聞く耳を持ち、同じような行動を取るので、2、3俵を取るような人は1俵ぐらいは取ることができるのでしょう。逆に自分がしっかりと見極めたのであれば他人の意見に左右されずに売買をするのです。もっとも人の意見を鵜呑みにするのではなく、世間の動向やいろいろな地方の出来具合、豊作や凶作、上方の相場や九州の様子などいろいろと研究するのはとてもいいことです。自分の相場観を決して人に語ってはいけません、これはとても大切な極意です。常日頃から心して慎むべきことなのです。

 これは筆者のように相場の状況や方向性を自分なりに研究し、それをお客様に伝える立ち場としては非常耳の痛いことです。ただ、ここで言っているのはいい加減な言動に惑わされてはいけないということなのです。しっかりとした事実に基づいた動向などは非常に参考になることが多く、逆に大いに参考にすべきことも沢山あるのです。根も葉もない噂に振り回されて、人の後ばかりを追って、人と同じことをやっていればいいということではなく、逆に人の後ばかり追っていくとどうしても遅れ勝ちになり、人が「○○を買ったよ」と言うのを聞けば自分の慌てて買って、実はもう「○○を買った」といった人は既に売ってしまって、しっかり儲けた後だった、ということもよくある話です。先週のこの欄で「ポジショントーク」の話をしましたが、それこそ、売りたいがために、「買い推奨」をしたりする輩も多いのが事実なのです。相場の動きは天然自然の理が働いて、必ず動くべくして動くものなので、他人の言動にまどわされず、しっかりと見極めていけば自ずと動きも見えてくる、少なくとも大きな間違いはしないものなのです。また、「100万円儲けた」とか「200万円が1億になった」などと聞くとその人がとても相場がうまくて何か「秘伝」のようなものを持っているあるいはものすごい情報を持っていると思いがちですが、そういうことではなく、自分にあったスタイルでただ、安いところを買って、高いところを売る、という行為を繰り返したに過ぎないのではないかと思います。その人の猿真似をするのではなく、その人の考え方を参考に自分でしっかりと相場を見極めながら売り買いをすることが大切なのだと思います。筆者も自分の考えを述べていますが、自分の考えを押し付けるのではなく、一つの考え方として相場を見極める上で参考にしていただければと思っています。

 一年中、商い手の内にある時は利運遠し。折々仕舞い候て、休み見合せ申すべきこと第一なり。

 一年中売買し常にポジションを持っているようなときはあまり儲からないものです。時々ポジションを整理して休むときがとても大事なのです。

 年がら年中売買していないと気がすまない人も多いのでしょうが、いつもあたふたと動いているような人はなかなか儲からないものです。ディーラーなどのように毎日仕事として売買している人もいるのでしょうが、ここでいう常に売買している人というのは何の了見もなく売買をしていないと落ち着かない人をいいます。毎日売買したいのであれば、それはそれでいいと思うのですが日計りディーリングの中でも常にある程度自分で相場感をもって取引すべきなのです。何も考えずただ、「高そうだから買う」相場が安いと「もっと安くなりそうだから売る」とあちこち相場の動きにあわせて動いてないと気がすまないというような人もいて、そういった人はまず儲からないと考えていいでしょう。自分のリズムで売買していてもどうしても引っかかってしまった(回転が聞かなくなった)ときもあり、そのときにはしっかりとポジションを整理して(持って置くべきものとすぐに処分してしまうものとに分けて)少し休んで見ることが大切です。そして自分のリズムや相場観をもう一度見直しながら相場に参加していくのがいいのではないかと思います。「動かなければ損」とばかりにばたばた動くことこそ「損」になってしまうのです。


 米急に引き上がる節、思い入れに売付くべしと売り気に赴くべし。又、急に引き下がる時、買い入れ申すべしと買い気になるべし。但し、上げ留め下げ留め知れざる故、売り放ち買い放ちも少し危し。しかしここ売るべし、買うべしの心持ちなき時は上げ詰めのところにて買うものなり、又下げ詰めのところにて売るものなり。右の心持ち必ず伝なり。

 相場が急に上昇したときなどは売らなければ、と思って売る気を持ち、また、急に相場が下がったときはそろそろ買わなければ、と買い気を持つことは大切です。ただ、上昇しきったところか、下げ止まったところかを考えていないので、売っては見たものの、買っては見たものの、ということになってしまいとても危ないのです。また、しっかりと「このあたりで買っておけば」「このあたりで売っておけば」という見通しを持っていないと天井で買い、大底で売ってしまうものなのです。この「買い気を持つ、売り気を持つ」ということはとても大切なのです。

 相場の天井底をいつも考えていることも大切なのですが、常に相場も見ていなくて相場が急上昇したときに「どこで売ろうか」と考え、相場が急落したときも「どこで買おうか」と考えることは大切です。特に相場が急落したときなどはおろおろするばかりで「どこで買おうか」と考える以前に「どうしよう、どこまで下がるんだろう」と慌てふためいてしまうのです。そういった時に常に相場の天底を考えていれば底値圏にあるときに急落してくれば「そろそろ買い場かな」と見極められるのです。逆に皆がわいわい騒いで相場が急騰しているようなときも冷静に売り場を探すことを考えれば大きな間違いをすることは少ないのではないかと思います。


 何となくすっきりとしない相場が続いていますが、こういったときこそ、しっかりと自分なりの投資尺度を持って、人に、相場に惑わされることなく、「安いところを買って、高いところを売る」ことを心がけたいものです。

 (マネックス・ビーンズ証券 清水洋介)

 「相場の世界」のバックナンバーは以下でご覧頂けます。
http://www2.monex.co.jp/forum/archives/b_shimizu/index.html

 また、ご意見・ご質問はメール件名「清水」宛で feedback@monex.co.jp までお送りいただければ清水から回答いたします。


=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-4.投資信託基準価額
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-詳細は
→ http://www2.monex.co.jp/j/monex_asa_mail/fund.htm

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-5.マネックス・ビーンズ証券CEO 松本大のつぶやき
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
5月27日    <聞こえない言葉>

 言葉が通じないと子供っぽく見えるのは何故でしょう?

大学生の時、アメリカに旅行して或る大学の寮に泊まった私は、英語がロクに話せず、何とか自分の言いたいことを伝えようとしたのですがうまくいかず、終いにみそっかす扱いされてしまいました。今回中国に出張した際に、片言の英語で私とコミュニケーションしてくれた女性がいたのですが、やはりとても子供っぽく見えました。しかし言葉が通じないと常に子供っぽく見える訳ではなく、例えば相手が理解しているかどうかお構いなしに自国語でまくし立てる人は、恐くは見えても、子供には見えません。要は慣れない言葉を使って自分を表現しようとし、かつ自分の考えていることの部分しか伝えられないと、子供のように見えるのでしょうか。

 逆側から見ると、子供はいつもそのような状態にあり、そのもどかしさを、私たちは「子供っぽいコミュニケーション」と定義しているのかも知れません。同じ言葉を使う人達の間でも、実は同様のことが起きている筈です。

 Unspoken passion. 表現されない声を聞き取ることは、外交に於いても、ビジネスに於いても、とても大切なことであり、常に気をつけていきたいと思っています。

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商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

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