お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
うれしい給料日。もっとうれしいボーナス支給日。
服も買いたい、車も買いたい、温泉に行きたい、ハワイも行きたい・・・。マネープランにとっての最大の課題は、「お金を使いたい!」願望と「お金を貯めた〜い」夢との永遠のせめぎあいにあります。消費は美徳ではないけれど、程度の差はあれ「消費は快楽」。この命題をどう解いたらいいのでしょう。
<解決策1> がまんの痛みを上回る、甘い目標を持つこと
ご褒美があれば、嫌なことも少しは我慢できるもの。薬の後にアイスクリームが食べられるなら、3歳の子どもでも苦い薬を飲むものです。
レストランでの食事、春のワンピース、週末のゴルフを我慢するのは大変ですが、その先に「あこがれの一戸建て!」「50歳で退職して悠悠自適!」「軽井沢に別荘!」なんてのがイメージできれば、今まで使っていたお金を少しばかり貯蓄にまわすのは、そんなにむずかしくありません。
<解決策2> 複利+積立 のパワーを知ること
20世紀最大の発見は”複利”だとも言われていますが、「利息が利息を生む」というマジックの素晴らしさ、本当にご存知ですか?
金利が6%と仮定(コンマ以下の金利ではさすがの複利も実力を発揮できないので)。単利だと100万円預けても毎年6万円利息が付くだけで10年預けても160万円。これが複利だと1年目に6万円の利息、2年目は106万円に6%の利息が付いて112万3600円、3年目にはそれに6%ついて・・・10年後には179万円に。
● 単利 6% 10年後 → 160万円
● 複利(1年複利)6% 10年後 → 179万円
しかし複利が最もパワーを発揮するのは、積立とセットになったとき。1日4000円を金利6%で27年間積立てると、27年でなんと1億円に!あなたが今30歳で1日4000円、つまり月に12万円を積立てていけば、57歳にして1億円を手にすることができるわけです。これを、複利を知らずにタンス預金にしていたら、27年後にはわずか3942万円にしかなりません。
<1日4000円の積立て>
● 6%×27年後 → 1億円
● タンス預金(金利0%)×27年 → 3942万円
1日1000円の節約が27年後の2500万円、ということがわかっていたら、ちょっとやってみよかという気になりませんか?「もう公的年金なんかあてにできない」と思っている人、今すぐに行動に移しましょう。
<解決策3> 労力の少ない貯め方を選ぶこと
とはいえ、頭ではわかっても、実際に行動に移すのは別の話。アクションを起こし、それを続けるためには、いちばん労力の小さい方法を選ぶのが成功するコツです。世の中には「自動積立」とか「給与天引き」という便利な仕組みがあるので、これを利用すれば、話はカンタン。一度手続きをすると、決まった額を毎月引き落として、指定した金融商品に積立ててくれるので、ホントに知らないうちにお金が貯まります。
積立て額を引かれた後の、残りの金額で生活してみても、さほど不自由を感じず、今までと同じ感じで生活できるはず。この小さい努力を無駄にしないために気をつけるべきことは、クレジットカードで買い物しすぎたり、キャッシングしたりしないことだけです。何に積立てるかは、貯蓄の目的や期間によって変わってきますが(たとえば、住宅の頭金を貯めるのが目的なら、会社の住宅財形貯蓄や住宅金融公庫の「つみたて君」など)、積立て期間が10年を超える長期だったら、利殖型の商品での積立てにうまみが出てきます。準備期間が18年もある子どものための教育費とか、もっと長い老後のための資金だったら、株式投資信託での自動積み立てを積極的に取り入れたいところです。
手間ヒマがかからないという点では、パソコンですぐに自動積み立て手続きができるオンライン取引は(証券でも銀行でも)、貯蓄べたの人の大きな味方です。さあ、以上の3つのポイントを押さえれ、誰でも「消費の快楽」をさほど犠牲にせずに、お金を貯める夢も実現することができるはず。次回は「じゃあ、私はいったいいくら貯めたらいいの?」という疑問に、ケース別に具体的に答えていきたいと思います。
(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子、隔週連載予定)
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