お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
「為替で儲けようと思ったけど、やっぱ難し〜!」という実例を14日の「株式ロックンロール」でサンプラザ中野さんが話してくれました。ありがとー。そうでしょうとも。タイミングをはかって為替で儲けるなんて至難のワザです。ためしに半年前、1年前の新聞記事やマネー雑誌の専門家の「為替予想記事」をチェックしてみてください。きっと笑っちゃいます。たまに「円高」「円安」の予想が当たると「○年の円高を見事に予想」「円安の予想的中」の××さんと奉られちゃうのですから、為替予想の当たらなさがわかるというものです。いい子は中野さんの真似をしてはいけません?
だったら株はどうでしょう。株のほうが為替よりもまだ希望があります。為替の動きには方向性がまるでないのに対して、株式相場はふつう「長期では右上がり」とされているからです。90年以降、日本は前代未聞、世界でも類を見ない長期の景気後退を経験してますが、これが数年のうちに終結して正常な状態に戻りさえすれば、株式市場にも私たちのお金にも明るさが戻るというものです。
それでも株を買うのは簡単ではありません。Buy&Hold(長期保有)ったって、銘柄を選ぶのも、買値を決めるのも、そのタイミングをはかるのも、勉強や情報収集に時間とお金がかかります。忙しい人、決心できない人、行動力のない人はなかなか実行できません。
この忙しい世の中に「フツーの人が個別銘柄をタイミングを見て売買して、一定の成果をあげ続けるのはまず不可能」というのが、私の持論です。それに、相場にのめり込んで本業に支障が出るのも困りもの。資産形成はあくまでも人生の「脇役」なのですから。
ということで、忙しい人の代わりに資産運用のお手伝いをしてくれるものの1つが投資信託であり、タイミングを図らない買い方「積立」なのです。
繰り返しますが、資産づくりの基本は「積立」。給料は全部使ってしまい、手持ちの資金だけを運用して増やそうとしてもダメです。10億円以上あるなら別ですけど・・。
積立に使う金融商品には次の2つの性質のうちどちらかが求められます。1.確定利回り型の商品なら、短期より長期の預入れに有利である。
2.相場型の商品なら、長期では右上がりが期待できる。
1だけでは、高インフレ時に資産が目減りしてしまう危険があり、2だけでも相場の下落で資産価値が減ってしまう危険があります。この2つを組み合わせることでインフレにも強く、相場の下落時にも持ちこたえられる強靭なポートフォリオが築けるのです。
1は、今のところ「公社債投信」が該当します。4月から実績配当になるため利回りは大幅に落ちると予想され、債券型投資信託の宿命として金利上昇時の利回り低下は避けられませんが、長期的に見れば定期預金などでの積み立てより高い利回りが得られるはずです。
2の筆頭が「株式投資信託」です。一方、相場型商品でもこれに当てはまらないのが、金(純金積立)です。最近人気づいていますが、長期トレンドで右上がりとは言えないからです(個人的にはむしろ右下がりと予想しています)。外貨MMFでの積み立ては「長期で右上がりだから」ではなく「資産の一部を外貨で持つことで、円安のリスクに対抗する」ことに意義があります。
というわけで、「いっちょう投資でも始めてみるか」という人にも、「コツコツ積み立てて資産形成をしたい」人にも、積立てで株式投信を買うことを勧めています。もう「耳にタコ」だと思いますが、毎月一定額を積立てることで「安いときに多く、高いときに少なく」買って購入コストを下げる「ドル=コスト平均法」が働き、相場型商品のリスクが軽減されます。
まずは、柱となる銘柄を1銘柄決めます。個人的にはインデックスファンドが好きです。よく言われるように、何年も連続してインデックスを上回る実績を挙げるアクティブ型ファンドそのものが稀有ですし、いわゆるテーマ型ファンドは、相場のテーマが循環する中でコンスタントに好成績を挙げるのは不可能だと考えるからです。1つの金融機関で扱っているインデックスファンドは1〜3銘柄程度なので初心者でも、迷わずに決められます。大切なのは始めることです。
もちろん「コレだ!」と確信できるアクティブファンドがあるなら止めません。ただ柱となる商品は「小型株」や「IT」などリスクが大きい銘柄は避けるべきです。月3万円以上積み立てられる人なら、1部(3割以下)を相対的にリスクの高い投資信託や外貨建ての商品に積み立てるのもいいでしょう。外貨MMFなどは収益を狙うというより円安に備えるものなので、ある程度の利益を狙うなら、外国株式、あるいは外国株式+外国債券の投資信託が面白いですね。
教育費でも、独立資金でも、老後資金でも、準備期間が10年以上あるなら、株式投資信託での積立、ぜひ考えて実行してみてください。
ファイナンシャル・プランナー 中村芳子
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