自分の価値観を知ろう

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

自分の価値観を知ろう

最近発表された生命保険文化センターの「第5回・生活者の価値観に関する調査」(http://www.jili.or.jp/)は、日本人の価値観の特徴を、次の5つにまとめていて面白いです。ホームページにはさらに興味深い分析(快楽志向者は未婚率が高く子どもの教育に無関心とか、安直志向者は公務員として働きたがっているとか)があるので、一見の価値ありです。

1.集団志向 : 社会や家族といった集団に対して責任と自覚を持って関わっていこうとする。
2.自立志向 : リスクをとってでも積極的に努力・挑戦する意識を持ち、家族にも個人として対等な関係を重視する。
3.快楽志向 : 現在を楽しむことを重視し、同時に責任や努力を回避し、利己的な人間関係を構築する。
4.自適志向 : 気の合った仲間と自分のセンスで現在を楽しく暮らすことを重視する。
5.安直志向 : 努力や苦労を避け、他人の意見に同調し、依存することを重視する。

各特徴のネーミングにも定義にも担当者の価値観(優劣のランク付け)がはっきりとあらわれてます。

高く評価されているのは「自立志向」ついで「集団志向」、「自適志向」は「快楽志向」にややまさり、最低は「安直志向」という具合。でも、性格や価値観のランク付けをするのは如何なものでしょうか?なぜなら、志向に優劣をつけても仕方ないからです。どの性格にも長所と短所があるのだから、自分の長所、短所をよく知り、長所を伸ばすよう心がけることが大切では?

投資態度についても同じことが言えそうです。資産づくりのプランを作るときは、収入や支出、財産の状況、投資経験などを考慮するのは常識ですが、自分の投資性向の長所、短所をよく知った上で、計画を立てたり、意思決定をするようにすれば、もっといい成果が上げられるかもしれません。

生命保険文化センターの分類にならって、投資性向を分類すると以下のようになるでしょうか。

1.集団志向 : 周囲の人たちが使っている金融機関、商品を信頼し利用する傾向がある。預け先の選定や投資の判断も、周囲の意見に頼りがち。
2.自立志向 : リスクをとってでも積極的に資金を運用しようとする意識を持ち、インターネットを使った情報収集などにも前向きである。
3.快楽志向 : 現在を楽しむことを重視しするので、貯蓄や資産形成にあまり興味を持たない。ただし、将来の不安が時々顔を出す。
4.自適志向 : 貯蓄や投資には、自分なりの好みとセンス、自信を持っている。資産形成も、数ある楽しみのひとつで、仲間との情報交換も好き。5.安直志向 : 節約やお金を貯める努力は好まず、一攫千金を望む傾向がある。投資で大損をしたり、悪徳商法などにだまされたりする恐れがある。
皆さんはどのタイプか、だいたい見当がつきましたか?以下、それぞれのタイプへの注意点とアドバイスをまとめてみました。

1.集団志向 : 周囲の人の意見を無差別に受け入れるのではなく、信頼できる貯蓄の達人、健全な投資家を見つけて彼らの意見を参考にしましょう。ただし、最終的な判断は自分でするように心がけるべきです。
2.自立志向 : 自信過剰になりがちで、リスクをとりすぎる傾向があるので、ポートフォリオ全体のバランスを定期的にチェックすることが大切。投資にかまけて本業の仕事がおろそかにならないように注意。
3.快楽志向 : 将来のために適度に備えることで、現在をもっと楽しく過ごせることを認識しましょう。自動積立システムを利用して、労せず資産づくりを実現できる。最低限の保険にも掛け捨てでいいから入っておくといいでしょう。
4.自適志向 : 投資を楽しめる性格なので、積立以外にミニ株でポートフォリオを作ったり、仲間と「投資クラブ」を結成するのもお勧めです。ただし、投資のための投資にならないよう、資産づくりの目的を忘れないように。5.安直志向 : 自動積立システムなどお金のことを考えなくても貯まるしくみがお勧めです。逆説的ですが株式投資を経験することで「世の中にうまい話はない」ということが身にしみてわかるので、予算の上限を決めたミニ株投資もいいかもしれません。

いかがでしょうか?

ファイナンシャルプランナー 中村芳子

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