お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
1月もあっという間に、半分過ぎてしまった。ということは、2003年も、残すところ24分の23ということ。・・・という具合に、絶対値でなく割合、%で「公的年金」や「退職後資金」をとらえていこう、というのを昨年練習してきた。
今回は「退職後資金」をちょっと休憩し、年頭にあたって、毎月の貯蓄その他を、割合で見直してみよう。もし、基準を達成してないものがあれば、それをクリアすることを今年の目標のひとつにしてほしい。
●1割以上積立してる?
健全な家計とは、将来のためにコンスタントに貯蓄できる家計のこと。その最低ラインは、手取り収入(以下、全部手取りです)の1割。年収で考えてもいいし、月とボーナスそれぞれ1割としてもかまわない。優秀家庭は2割以上積立てている。
ただし、ここに「使うための取り分け貯蓄」を含めてはだめ。取り分け貯蓄とは、ゴールデンウィークの海外旅行のためとか、来年車買いかえるためとか、数年以内に使うために、ボーナスなどから一時的にとっておく貯蓄。これは純粋な意味での貯蓄ではない。
ここでいう1割は、長期で積立てて財産をつくっていくためのもの。
これを達成するのは、難しくもあり簡単でもある。
「給料日前にお金が余っていたら貯めよう」という姿勢では、一生貯まらないので、必ず、自動積立てのシステムを利用すること。これだけ。給料天引きの財形貯蓄でも、銀行の自動積立定期でも、投信の積立てでもいい。なるべく給料日当日か、数日以内に別口座に積立てていくシステムを作っちゃおう。上級者なら、複数の投資信託を組み合わせて積立てるのがお勧めだ。
●予備資金、年収の2割以上とってある?
予備資金とは、予定外の支出があったときに対応するためのお金。
失業しちゃった、家族の入院が長引いた、身内の結婚式でお祝いや費用がかさんだ、エアコンが突然壊れた、というときに対応するためのものだ。
いつも年収の2割程度を、準備しておきたい。自己都合退職だと、失業保険をもらえるまで3ヶ月の空白期間があるが、これがあれば、何とか乗り切れる。
この分は、住宅ローンの繰上げ返済にも充ててはいけない。長期資金を取り崩さないため、カードローンなど使わないためにもぜひ必要。何かで使っちゃったら、ボーナスなどでなるべく早く補充しよう。
●生命保険料は年収の5%以下か?
投資や運用のセミプロを自負する人でも、生命保険はわからないから、勧められたものにわからないまま入ってるというのが多い。いらない保障のために毎月何万円も払うほど無駄で馬鹿らしいものはない。
いろいろなケースを見てきたが、家族全員分の保険料は、掛け捨て型の保険を主にすれば年収の5%以下に押さえられる。
それ以上払っているなら、無駄金を払っている可能性大だ。早々に見直したい。保険の営業職員でない中立の専門家に相談することが大切。
●収入の何%を寄付してる?
皆さんも手にとったことがあるだろう「金持ち父さん」の本で、たぶん、ほとんどの人が読みとばしただろうな、という箇所がある。「金持ち父さん」が「10分の1税」を信じ、実行していたということだ。これは収入の10分の1を慈善事業などに寄付することだ。わ〜お。10分の1とな!
凡人にそこまでできなくても、収入の1%ならできるのではないかと、個人的に考えている。時代は厳しくても、働いて収入が得られ、そこそこの生活ができる人間は、世界的にみればごくわずか。チョー恵まれている部類に入る。
1日3食べられる人より、戦争や天災で明日生きることさえ難しい人たちの方が多いのだ。だったら、赤十字やユニセフや、ワールドビジョンやフォスターペアレントに1%を寄付するのは、理にかなったことではないかしらん。
寄付してもらう側からすると、少ない金額でも継続的に協力してもらえるのがありがたいそうだ。自分がサポートしたい団体を見つけて、年1回3万円でも、毎月4000円の会費でも、できるところから始めたい。たったこれだけで、少し心が温かくなったらうれしいね。
(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)
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