退職後資金づくりに外貨投資を(4)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

退職後資金づくりに外貨投資を(4)

―言うはやすし、行うは難し―

「イラク戦争が終わればドルは上がるだろう」と思っていたら下がり「当分ダメだろう」と思っていたアメリカ株が上がっている。本当にわからない。
「円が120円より高くなったら、ドルMMFを買うことにしているの」という友人がいる。最近の相場を見ているかぎり、的をえた投資法のようだが、「いくらで買うか」「どのくらい買うか」は、そのときの気分とお金の余裕しだいなので、システマティックではない。意思決定がむずかしい。
1ドル=118円ではちょっとマイナスだとか。

私ごとになるが、人に外貨投資をすすめていながら、自分で始めたのはここ1年くらい。夫(アメリカ人)の金融資産がほとんどドル建てだったので、全体のバランスから、ドル建て資産を増やす必要がなかったのだ。

だが昨年、その大部分を家の頭金のために引き出してしまったので(ラッキーにも1ドル=130円台で円転できた)、これから、ドル建て資産を増やすことにした。

日頃から人にすすめているセオリーを実行しようと、さっそく米国株式投資信託での積立てを始めた。残念ながら外国籍投資信託の自動積み立てシステムはないので、ちょっと面倒だが、毎月の給料日かその翌日に、自分で買い注文を出すことにした。ところが、そのむずかしいこと!

戦争がはじまった。アメリカの経済はもうダメだ。ドルが高い。さまざまな「今、アメリカの株を買うなんて、本気かよ」的ニュースが、どっと押し寄せてくる。「今月は、ちょっと見合わせとこうかな」と思ったことも1度ではない。清水の舞台からとびおりる覚悟で、目をつぶってエンター・キーを押した。
ところが、あらあら。アメリカ株高という意外な展開で、1ドル=118円でも収益は2割以上のプラスになっている。最近としては、ユーロ建て債券(金利が4%つく上にユーロが2割高)につぐヒットだ。

このお金は20年後の「退職後資金」なので、今の好成績を喜んでもぜんぜん意味はない。しかし、

1、為替は読めない タイミングをはかるな
2、外貨預金より外国株がおすすめ
3、毎月一定額を積み立てなさい

を実行するメリットが、少しわかってもらえるかと思い、例に出してみた。
積み立てを始める前に、方針を練り、じっくりと商品を選び、金額を決める。決めたらそれを実行しつづける。株式や外貨建ての商品に関しては、特にそうだ。これが、10年後20年後の退職に向けた資産づくりに成功する秘訣だと思っている。(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)

マネックスからのご留意事項

「10年後に笑う!マネープラン入門」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧