お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
保険にできること
「いわばお守りのようなもの」「ひとつ入ってないと不安」「何か入っていればとりあえず安心」。生命保険をこんなふうに考えている人もまだまだ多い。でもこれは大間違い。保険は人と保険会社との「契約」だ。契約は、当事者の知識に差があると、たいてい無知な方が損するようになっているのを心して!
まず言い方を変えよう。「保険に入る」「保険をかける」というと、なんだかばくぜんとしてしまう。コスト意識を働かせるためにも、これからは「保険を買う」と表現しよう。買い物のコツは「ほしいもの」ではなく「必要なもの」を知ること。「あったらいい」ものでなく「ないと困る」ものから手に入れるべき。保険も同じだ。
では、あなたに必要な保険はなにか。それを知るには、保険にできることを知らなくてはね。生命保険にできるのは、だいたい次のことだ。
1.病気やけがで入院した時に、お金(給付金)を支払う。
2.死んだ時に(遺族や指定された人に)、お金(死亡保険金)を支払う。3.一定の期間がすぎ(てかつ生きてい)ると、お金(満期保険金や年金など) を支払う。
世の保険はもっと複雑に見えるが、基本はこの3つ。いろいろおまけがついてわかりにくくなっていても、保険にできることはそんなに多くない。では、
1.あなたは入院したときに、お金を受け取る必要があるだろうか。受け取ら ないと困るだろうか。
2.あなたは死んだときに、誰かにお金をのこす必要があるだろうか。残さな いと困るだろうか。
3.あなたは一定の年齢(60歳とか)になったときに、お金を受け取る必要 があるだろうか。受け取らないと困るだろうか。
お金持ちでなければ、入院の費用がかさむと家計が苦しくなるから、1はほとんどの人に必要だ。男でも、女でも、独身者でも、既婚者でも。保険はぜんぜん買ってないという人は、一日も早くこれを買ったほうがいい。
ところが2になると、必要な人はかぎられている。独身者にはいらない。収入のない人もいらない。扶養家族のない人もいらない。必要なのは、結婚していて扶養家族のある人だけだ。あ、シングルマザーやファーザーも入りますね。
独身なのに月5000円以上の保険料をはらっているなら、いらないのに2の保険を買っている可能性大。すぐにチェックすべし。
3の満期保険金や年金は、だれだってほしいわけだが、それに見合うお金(保険料)を今から積み立てられるかとか、利回りはどうかという話になってくる。純粋な「保障」の話ではなくなるので、ちょっと横においておこう。
自分に必要なものがわかったら、次はよい品を安く手に入れる段階。次回は、入院した時の保険「医療保険」から見ていこう。
(中村芳子 ファイナンシャル・プランナー)
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