お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
医療保険のキホン 健康な時にしか買えない!
「入院でちょっと出費が増えたり、収入が減ったりしても、イタくもカユくもないよ」という人以外には、医療保険が必要です。と前回お話した。「20歳になったら国民年金」と同じで「学校卒業したら医療保険」と覚えてほしい。これ大人の条件。就職したら・・・といいたいところだが、最近は就職しない人も多いので。
20代や30代前半の人たち、特に女性は「自分が病気やケガで入院するかも」と思ってる人はほとんどいない。独身男性にはけっこうめちゃくちゃな生活を送っている人も多いが、女性はわりあいに自己管理ができていて、健康にもそれなりに自信があるからだろう。だから、医療保険に興味のない人はたくさんいる。
だが、知っていていただきたいのは、生命保険は「健康な時しか買えない」ということ。保険はよく「雨ガサ」にたとえられる。雨が降った(万一の)ときに、これを使えばぬれないよ(ダメージがちいさくてすむよ)というわけ。ところがこのカサ。晴れている時にしか売ってくれないのだ。雨が降りだしてから、カサ屋に行っても、「ざんねんですが売れません」とすげなく断られてしまう。以前に雨にぬれたことがあるという理由で、売ってくれないことだってある。
友人の30代女性が、最近医療保険を買おうと思って、契約の手続きをした。ところが申し込んで約1ヵ月後。彼女には「この保険はお受けできません」と通知がきた。保険会社から、加入を断られたのだ。
保険を買うときは「告知」をするのが原則。告知とは、自分の今の健康状態と、過去の病歴・治療暦を自己申告すること。「告知書」という用紙に自分で書き入れる。通信販売でも、対面販売でも行う。年齢が高くなったり、保険の契約金額が大きい場合は、面接士による面接や、医者による検査などが加わる。彼女は1年程前、仕事のストレスで不眠気味になり、病院で軽い導眠剤を処方してもらったことがあった。告知書にそれを書いたところ(おそらくそれが原因で)保険を買えなくなってしまった。
先日保険の相談に来られた30代の女性。5年前に買った郵便局の養老保険に「医療特約」がついていた。後でくわしく話すが、医療保障を「特約」で買うといろいろ問題がある。このケースでは5年後、養老保険が満期になるときに、医療の保障も一緒に切れてしまう。
そこで、保障が切れない「終身タイプ」の医療保険をすすめたのだが、彼女は数年前から「子宮内膜症」の治療を受けているという。ということは、それが完治して数年たつまでは、保険には入れない。
年に1度の定期検診や人間ドックで、要治療や再検査になると、やはり保険に入れない。40代以降の男性はかなりの割合でこれにひっかかる。
おどすわけではないが、かように「保険」は冷酷・冷徹。100%健康でないと、なかなか買えないものなのだ。
だから「今はこんなに元気だから、保険なんか考えられない」とは言ってはいられない。とりあえず今すぐ、何かひとつ買うことをおすすめする。最低の保障を確保した上でなら、ちょっと時間をかけても、自分にイチバンピッタリの医療保険を選ぶことができる。
(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)
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