お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
病歴があっても保険を買えることがある
保険は健康な時にしか買えない。過去5年以内に病院で治療を受けたり、薬をもらったりしていると、保険を買えないことも多い、と前回お話した。けっこう軽い病気でも、断られることがあるので要注意。特に、医療系の保険はきびしい。保険は健康なうちに買うのが原則だ。
ただ、病歴があると「絶対に買えない」というわけではない。過去に治療や薬の「前科」があっても、条件つきで買えることもある。
条件はだいたい次の3つで、これらがコンビネーションになることもある。
1)特定部位不担保(とくていぶい・ふたんぽ)
病気したり治療した部分を、保障の対象からはずすこと。目の手術をした人 なら、目の病気で入院・手術した場合、また目の病気が原因で亡くなった場 合は、保険金を払いませんよというような条件。それ以外なら払われる。契 約して○年間はという期限付きの場合も多い。
2)保険料の割増
ふつうの契約より保険料が高くなる方法。保険会社にとって、あなたはリス クが高いので、その分保険料も多めに払ってよというわけ。
3)保険金の削減
加入から一定期間内(最長5年)は、保険金の何割かが経過年数に応じてカ ット(削減)して支払われる。主に死亡保険金について適用される。たとえ ば、死んだら3000万円の契約だけれど1年目に亡くなったら3割の 900万円、2年目は6割の1800万円しか払われず、全額払われるのは 3年目以降という具合。
保険契約に条件がつく場合は、契約者が(保険会社の作った細かい条件が書いてある)「承諾書」を提出して契約が成立する。もちろん、条件をつけられたとき、それをのむか蹴るかは本人の自由。のむ場合はよおく説明を受け、じゅうぶん納得した上で契約することが大切だ。
せっかく申し込んだのに、条件をつけられたら「コノヤロー」と頭にくるかもしれない。でも、相手もボランティアで保険業をやっているわけではないので、リスクの高い客をことわるのも仕事のひとつ。こちらもクールに対処しよう。
ただし、どんな条件がつくかは、既往症の程度など本人のコンディションだけでなく、保険会社や保険の種類、保険の金額によっても違う。一社で断られたり、納得できない条件がつけられたら、別の会社をあたってみよう。
だが、A社で断られた(条件をつけられた)からと、B社でうその告知をする(病歴などをかくす)と「告知義務違反(こくちぎむいはん)」だ。この場合、契約から2年以内は保険会社が契約を解除できる。入院や死亡が、隠していた病気に関連ありと判断されると、保険金や給付金が払われないこともある。こういう事態はさけたい。
万一保険が買えなくても、そんなにくさることはない。日本人がフツーに生命保険に入るようになったのは、ここ30年くらいのこと。その前は、みんな保険ナシでやってきたのだ。保険がないとほかの人より、ちょっとハードに(病気や死亡の)リスクと向き合わなくてはならないが、そこは覚悟を決めて前向きに行こうぜ。(中村芳子 アルファ アンド アソシエイツ)
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