お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
○医療保険のポイントは「何日間払われるか」
入院のための保障を考えている。「特約」はいろいろ制約があって不自由なので、単体の「保険」で買おうと前回お話した。
つまり「医療保険」だ。「入院保険」と呼ばれることもある。
医療保険は、会社や商品によって仕組みが少しずつ違う。でも、保障の柱は、入院した時にその日数に応じて「給付金」が払われるということだ。これに手術の保障や、通院の保障などがついているが、これらは「好み」で選べばいい。
基本の保障の「日数に応じて」はとても重要だ。
150日入院したとき、いくら給付金が払われるかを見てみよう。これは商品によって違う。1日5000円で契約したときの代表的なケースは次のとおりだ。
1) 60日分払われる ・・・ 30万円
2)120日分払われる ・・・ 60万円
3)150日分払われる ・・・ 75万円(4日の免責があるなら73万円)
なぜこんなにちがうかというと、保険によって、1入院あたりに払われる給付金の上限日数が決まっているから。
最近人気の「安い」医療保険は、だいたいが60日まで。
日本の保険会社の特約は、120日までが主流。単体で120日もある。150日全日分払われるのは、180日まで(共済に多い)、360日まで、730日まで(いずれも外資系・もと外資系に多い)のどれかのタイプを買っていた場合だ。
1入院あたりの給付上限が多いほど、安心は大きくなる。保険料も高くなる。だが、そもそも医療保険は「入院が長引いてお金が大変になったとき」のために入るものではないだろうか。1泊〜1週間くらいならそれほど困らない、お金は何とかなるという場合でも、入院が長引くとどんどん大変になっていく。
ただし、医療制度の改革や病院の経営強化(?)などで、のぞんでも長期の入院ができなくなっているのも事実。以前は何ヶ月も入院するのがふつうだった症状でも、今は数週間で退院し、通院と自宅療養で治療する方向に変っているようだ。だから60日タイプでも、たいていの入院はカバーできるようになるかもしれない。
でも、万一・・・。病気によっては入退院をくり返し、その合計日数が簡単に60日を超えてしまうという場合だってある。※一般に、退院して180日以内に同じ病気で入院した場合は、1入院とみなされる。
医療保険を選ぶ時は、さまざまな「特約」に目が行きがちだが、いちばん大切なのは「1入院で何日まで給付金が払われるか」だ。
あとから「こんなはずではなかった」と嘆かないためにも、必ずチェック!自分で納得できるものを選ぼう。ちなみに私のは、ずっと前に買ったので730日型だ。
しくみを知って、自分が納得できるものを選ぶ。「納得」は保険を選ぶときの大切な姿勢、キーワードだ。納得できるラインは人によって違うし、「正解」はない。どんなに充実した医療保険に入っていても、事故で即死なら、1円の給付金もおりないのだからネ(死亡保険金はおりる商品も)。
(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)
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