お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
50代からの保険をどうする?
○死亡保障はいらないけれど
ファミリーの父親の死亡保障は、子どもが成長するにつれてどんどん減っていき、下の子が独立した時点でゼロになることを、前回お話した。
子が独立すれば、残された妻も自分の生活費くらいは稼げるはず、との前提だ。子から援助を受けることも可能だし。
しかし現実は、4000万円、5000万円あった死亡保障をゼロにするのに不安を覚える人は多い。妻の立場から「いくらなんでも、死亡保障がゼロは困るわ」という心情的な訴えもある。「そうだなあ、自分が死んで保険金も出ないのはちょっとなあ〜」と考える夫もいる。そういう妻、夫は、自分達で納得できる金額を見つけてほしい。
50代で子どもがすでに独立、という夫婦は、経済的にはゆとりがある。それまで子1人に年100万円以上費やしていた学費や生活費がゼロになるからだ。それでつい、保険料に寛容になってしまう。
以前、保険の見直しに来られた50代の男性のケースでは、年間140万円払っていた保険料を、40万円に減らすことができた。いらない保障やわりのあわない貯蓄型保険に、年100万円もムダに払ってきたわけだ。
5年で500万円。保険料に寛容なのは、ほめられたことではないので、そのつもりで。
○保険料を退職後への資金づくりへシフト
子が独立して、経済的にゆとりができたら、ムダな保険料を払いつづけるのではなく、その分を自分の老後のために積立てるのがずっといい。
1990年前後は「個人年金保険」の利回りが非常に高く有利だったが、今は見る影もない。年金保険で退職後の資金をつくるという考えは捨てたほうがいいだろう。
では、話題になっている「変額年金保険」はどうだろうか。
最近は毎月「積立て型」のタイプも増えてきたが、主流はまとまった金額(数百万円なり)を一括で支払う「一時払い型」だ。退職まで5〜10年くらいかけて資金を作ろうという人には向かない。運用のコストが投資信託より多くかかるのも、解約のペナルティがあるのも、大きなデメリットだ。
変額年金保険よりも、ローリスクローリターンから、ハイリスクハイりターンまで様々なタイプのある投資信託を、自分なりに組み合わせて積立てていくことをお勧めしたい。
○医療保障を再点検
50代以降では、医療保障をもう一度見直したい。入っていた保険が満期をむかえたり、いらなくなった保険を解約したりして、医療特約の保障も一緒になくなってしまうこともある。そんな場合は、古い保障が切れる前に、新たに単品の「医療保険」を買いたい。
10年以上保険を見直していない人は、医療保険や医療特約の保障内容を確認しておこう。保障期間や給付金額、何日目からもらえるかなど、旧タイプの保障で満足できないなら、新しい保険をみつくろって乗りかえるのもいいだろう。旧タイプの「医療特約」を解約し、別会社の「医療保険」を買う手もある。
高齢になると、がんにかかる可能性も高くなるので、がんの保障を厚くするのもいいだろう。
ただし、一部の保険会社は「あたらしく発売されたがん特約は、今お持ちの古いタイプの保険には付けられないんです。ぜひこの機会に”転換を”」と勧めているようだ。とんでもない!転換は契約者にとって大損だ。
今の保険に「がん特約」がつけられなければ、別の会社の単品の「がん保険」を買えばよい。保険料も安くつく場合が多い。口車に乗せられないよう、くれぐれも気をつけてください。
(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)
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