お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
マネーに対する態度で、シングル5つのタイプに分けられる。
つまり、パラサイト型、強不安型、自己犠牲親孝行型、現実逃避楽観型、独立マイペース型だ。今回はパラサイト型の傾向と対策を考える。
○パラサイトには独立・自由がない?
学校卒業後も親の家に住み、掃除・洗濯・食事も親だのみ、給料のほとんどを自分のために使えるのがパラサイト。はたから見て、こんな優雅でうらやましいことはない。これのどこが問題なのだろうか。
人が、その人生で成しとげるべきことは数々あるが、マネーの面から見たとき、それは「ファイナンシャル・インディペンデンス」経済的自立だと思う。それによって「ファイナンシャル・フリーダム」経済的自由が手に入る。
自立のためには、一定の収入や貯蓄が必要だが、収入や貯蓄が多いだけではダメ。自分の収入で生活して、計画的に貯蓄して、自分の将来や万一に備えるという「技術」が欠かせない。
それには「優先順位をつける」能力を磨かなくてはいけない。
月20万円の収入で8万円の家賃を払っていれば、残りの12万円で光熱費を払い、電話代を払い、食事をし、デートをし、自己投資をするのだから、非常にシビアに、どれを第一にして、どれをその次にするか、限られた予算で最大の満足を得るにはどうすればいいか・・もだえ苦しみながらも、その能力を磨いていくことになる。
ところがパラサイトしていると、その能力は眠ったまま、技術も身につかない。毎月20万円の小遣いがあっても、本当の自由は持っていない。年々肉体は年をとるが、マネーの面ではずっと赤ん坊だ。これって致命的だと思う
ある日、親が死んで、かなりの財産を残してくれたとしても、支出と欲望をコントロールできなければ、それが消えてしまうのは時間の問題だろう。
○経済的な依存から抜け出すために
本当に自立・独立のためのマネー技術を身に付けたいと思うなら、手っ取り早いのは、親の家から出ることだ。遅くとも30歳までには出たい。30歳を過ぎているなら、今すぐ行動したい。
こづかいは豊富でも、目標がないために、貯金がないパラサイトも少なくない。自分でアパートを借りて、生活できるだけの身の回り品をそろえるだけでも、数十万円はかかるから、まずそのお金を貯めよう。3ヶ月くらいの短期集中で本気で貯めよう。とにかく自分の収入で生活するという体験を通して、技術を身に付けるのだ。ちなみに、家賃は手取り年収の25%までにおさえたい。これを超えるとかなり苦しくなる。
で、収支は家にいた頃に比べてかなり厳しくなるが、その中から貯蓄することも必須だ。目標は、まず手取りの1割(これは、旅行や買い物に使ってはいけない)。これが達成できれば、独立・自由をほぼ手にいれることができたと言える。
何か事情があって、親の家から出られないなら、ワンルームマンションの家賃分+光熱費+食費分を親に支払おう。最低でも10万円は下らないはずだ。これを払った上で、手取りの1割以上を貯蓄する。これなら、親と住んでも、かなり正常な金銭感覚を身につけることができるはずだ。
問題は、今の安楽な生活を捨てる覚悟があるかどうか。今の快楽をとるか、将来の独立・自由をとるか。決めるのはあなた自身だ。
(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)
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