シングルのマネープラン(3)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

シングルのマネープラン(3)

○強不安の人の傾向

 シングルの5つのマネータイプのうちの2つ目は、強不安型だ。
 以下のうち、4つ以上に該当するなら、強不安の可能性が高い。

□ 月2万円以上の保険料を払っている
□ 資格取得が好きだが、使っていない資格も多い
□ 40歳前だが、年金保険に入っている
□   〃    自分のマンションを買った・買うつもりだ
□ リストラされたらどうしよう、とときどき不安で眠れない
□ 手取り収入の20%以上を貯蓄している
□ ワンルームマンション投資に興味がある・あるいはすでに持っている□ やりたくない(自分の範囲でない)仕事を頼まれてもノーと言えない。□ もっている株や投資信託が値下がりすると、気になって夜も眠れない。□ 貯金の目的はずばり「老後」だ
□ なんとか副収入を得られないか、よく考える
□ 将来のインフレがおそろしい

○カモになりやすいので要注意

 世の中でいろいろな商法のカモにされやすいのは、「楽して金儲けしたい」という欲の強い人と、将来への不安の強い人だ。強不安タイプの人の不安をあおれば、モノやサービスを売りつけるのは難しくない。

「病気やがんや慢性病や介護や・・」の不安をあおって、高額保障でさまざまな特約のついた保険を契約させる。「老後の年金が・・」の不安をつつけば、年金保険や家賃収入目的の不動産を売るのもカンタン。たくさんの貯蓄があっても安心できないから、一見高利回りの怪しげな金融商品、ハイリスク商品を売りつけるのも難しくない。「老後の住まい・・」は不安の核なので、独身女性向けマンションは売りやすいらしい。

 強い不安を持っていると、ほんとうには必要でないものまで買ってしまう危険がある。間違った買い物や契約をしてしまうと、不安のタネが増えて悪循環になる。

 まず、自分がその「弱点」を持っていることを認めよう。そして、カモにならないためには、何事もひとりで決断しないことだ。信頼できる家族、友人、先輩、専門家にかならず相談しよう。特に「保険」「投資」「不動産」などお金回りのことは、少し費用がかかっても、専門家に相談するのが、結局いちばん確実に「安心」を手に入れられる。

 シングルこそ、マイドクターと、マイFPを持ちたいものだ。

○不安を直視しよう

 不安の最もあつかいにくいステージは、その正体がはっきりしないとき。体調がすぐれないと、重大な病気じゃないかと不安になり、そのことばかり考えてしまう。検査の結果、不調の原因がわかれば、仮にそれが深刻なものだったとしても、理由がわからなかったときよりは、ずっとスッキリするものだ。
 強不安の人は、自分が不安に思っていることを、ひとつひとつ、思いつく限り紙に書き出してみよう。パソコンの画面でもOK。なるべく具体的に。
たとえば、「老後が不安」ではなく、
「老後のお金が不安」
  →「公的年金が十分もらえないんじゃないか」
    →「でもそれは、悩んでも仕方がない」

 途中、自分でアクションを起こせない要素が出てきたら、悩むことをカットする。これは、非常に大切だ。自分の力のおよばないところで、ぐるぐる考えていても、どこにも行けないからね。

 そして、不安に対して、自分は何ができるかに、考えを切り替える

→「じゃあ今、どうしたらいい」
  →「老後に備えて貯めればいい」  
 ただし、次のステップで「できる限りたくさん貯める」と行くのは、よくな い。できるだけたくさんとか、できる限りという表現はダメ。できるだけの 事をしても、もっとできるんじゃないか、不足じゃないかと不安が去らない から。リーゾナブルな具体的な金額、目標を決めよう

→「じゃあ、いくら貯めればいいか」
  →「退職までに年収4年分」
    →「じゃあ、今はいくら貯めればいいか」
      →「退職金もあるから、逆算して年収の1割かな・・」
(退職後資金の目安は本シリーズのバックナンバーを参考にして下さい)
 すらすら解決策が見つからなかったとしても、不安を書き出してにらみつけ、「あんたなんかに、私の人生コントロールさせないからね」と言うだけでも効果はある。たぶん。

○ 保険・お金の限界を知る

 保険やお金については「完璧な保障は買えない」「お金だけでは解決できない」とあきらめることも大切。すべての可能性をカバーした医療保険に入っても、交通事故で死ぬかもしれない。退職まで1億円貯めても、詐欺に合うかもしれない。

 でも、私は思うのだが、人間には「生きる力」「適応する力」があるし、シングルだからといって、自分の力だけで生きてるわけじゃない。きっと誰かが助けてくれる、何とかなるって。

 シングルの人は特に、困った時に友達に「助けて」といえる能力を身に付けておくことが大切かもしれない。今から練習しておこう。

(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)

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