シングルのマネープラン(5)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

シングルのマネープラン(5)

 20代〜30代前半の「切羽詰ってない」シングルに見られるマネー傾向のひとつが「現実逃避楽観型」だ。

 なんだかんだ言っても、今の日本は豊かなので、アルバイトでも生活できる。自分でアパート代を払う生活は、楽ではないがやっていける。親と同居なら、収入が月10万円もあれば、家族持ちサラリーマンより優雅に暮らせる。 彼らの弱点は、その生活がずっと続くと錯覚していることだ。

○どんどん差がつく、ライフスタイル

 30前半くらいまでは、フルタイムでもアルバイトでも、生活のレベルに大きな差はない。友人の大半はまだ独身だ。しかし、目に見えない差はすでについていて、35歳ころからはっきり現れてくる。

 ある友人は結婚する。子どもが小学校に入る友人もいる。課長になるヤツも出てくる。独立起業する人もいる。マンションを買う友人。海外で名をあげる友人。エトセトラ。

 だが、あなたはまだアルバイトで、将来の計画もなく、年だけとって間もなくオジサン・オバサンの仲間入り・・。
 つまり、問題はお金が貯まらないということだけではないのだ。

○自分の10年後を思い描いてみよう
 
 アルバイトの生活が悪いわけではない。問題は、目標がなくその日その日を生きているだけという態度、人生に対する姿勢だ。

 人間、具体的な目標があれば、具体的に行動できる。ぼんやりとした目標なら、行動もぼんやりする。目標がないと、どこにも行けない。

 学校卒業までは、ベルトコンベアに乗って「やりなさい」と言われたことをやっていればよかったが、そのベルトは止まってしまった。

 いつまでも、ベルトに乗っているつもりの「現実逃避」はやめよう、ベルトがまた動くという「楽観」も捨てよう。

 自分は何をやりたいか、どう生きたいか、逃げないで自分に向き合おう。
 ひとつの手がかりは「10年後に自分がどうなっていたいか」を思い描くこと。今25歳なら10年後は35歳。今33歳なら43歳。親もネコも10歳年をとっている。

 仕事は?住まいは?収入は?パートナーは?家族は?貯蓄は? 今のままでいいという考えなら、おそらく今より悪くなっている。目標が「現状維持」なら、知らず知らずのうちに後退してしまうのが現実だから。

○今、アクションを起こそう

 10年後、どうなっていたいかのイメージが湧いたら、そのために“今”何をすべきか考えてみよう。

 就職するか、転職するか、勉強するか、引っ越すか、海外に行くか、恋人と結婚するか、別れるか。今まで何かを達成したことがなくても、あきらめない。今の自分にできる小さい目標から始めよう。

 そのためにお金が必要なら、すぐ貯め始める。本当は年100万円貯めたくても、今できる月1万円から始めればいい。お金以外の投資が必要なら、すぐそれを始めよう。

 進む方向がわかっているのに、忙しい、めんどくさいとアクションを先に伸ばすのは最悪。ぐずぐずしているうちに時間だけすぎてしまい、最初のプランが古く役に立たなくなってしまう。またゼロからやり直しだ。

 大切なのは10年後のために、今、アクションを起こすこと。そうしたら、自分を騙している「楽観主義」から抜け出して、自分の足で歩き始められる。
○親にも責任

 現実逃避楽観型のシングルが生まれるのは、親に問題があることもある。子に独立してほしいというのはタテマエで、その実、ずっと自分のそばに、自分の所有物としていてほしい親もいるのだ。

 自分の親がそうなら、子はすぐ逃げ出した方がいい。あなたがその親なら、心を鬼にして子を追い出そう。資金援助を止めよう。そうしたら数年後、立派に大人になった我が子に出会えるはずだ。

(ファイナンシャルプランナー 中村芳子)

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