お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
シングルの退職後を考える
自由で気楽なシングルにとって、いちばんの気がかりはたぶん「老後」。 老後とは、暗い言葉なので、退職後とよぼうか。
何と呼んでも実態は変わらないけど、とらえ方を変えることはできる。 60歳で退職しても、たいていの人はまだ「老人」の部類にははいらない。 フルマラソンも完走できるし(わたしの父です)、自分のお店も開けるし(母です)、恋もできる(義祖父です)。
○退職後の不安
まず、シングルだからこその退職後の不安を考えてみよう。
1、淋しい・・・・
シングルは子供がいない、とうぜん孫もいない(シングルマザー・ファーザーはのぞく)。でも、だからといって、淋しいとはかぎらない。
同年代の友人とだけ付き合っていれば、60歳すぎると仲間にぼちぼちお迎えがくる。友人同士集まっても、しょぼしょぼだ。
だが、10歳、20歳、30歳年下の友人がいたらどうだろう。新しい話題にも刺激にもイベントにも、こと欠くことはないだろう。65歳で25歳の友人がいると楽しそうだ。
子や孫がいても、残念ながらよい関係を保てるとはかぎらない。家族がいるのにずっと一人暮らしで、葬式にも誰も来てくれなかったという人の話をきいたことがある。
ただ、血のつながりのない人間関係は、親戚以上にメンテナンスが大事。ほおっておくと、細くなって切れてしまう。友人、特に自分より若い友人への、時間とエネルギーを投資しておくことが大切だろう。友達はお金や地位では買えない。たくさんいればいいというものでもない。シングルの人生最大の課題は、この「友達」かも。
2、病気や介護が心配・・・・・
さいわい「看病や介護は家族がするもの」という考えは変わりつつある。これから一人暮らしの高齢者はますます増えるだろうから、公共のサービスも、民間のサービスもどんどん充実してくるはずだ。不安になりすぎる必要はない。 ただ、便利なサービスがあっても、知らないと利用できない。
元気なうちに(といっても、50代なかばをすぎてからでいい)、自分の住んでいる地域ではどんなサービスがあるか、手続きはどうすればいいか、いくつかのケース(病気になったとき、体が不自由になったときなど)を想定して、調べておこう。
インターネットで、情報収集や手続きが簡単になったのはうれしい限りだ。 入院治療のための費用は、現役時代から「終身保障」の医療保険に加入しておけば、ほぼカバーできるだろう。今から手当てしておこう。
万一、痴呆になったり、重病で意思表示ができなくなったときのために、「成年後見人制度」を利用するのはおすすめだ。この制度については、後日あらためて、解説する。
次回は、引き続き「シングルの退職後の不安」で、葬式や遺言について考えたい。
(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)
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