お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
前回に引き続き、シングルの「退職後の不安」を、どうやって軽くできるかついて考えてみよう。今回は、遺言や葬式について。
3、あなたの財産は誰が相続するか
これも事前準備をしておけば、不安を減らすことができる。
シングルに限らず、遺言を作れば、自分の財産を最後まで世話になった友人や親戚にのこすことができる。
遺言がないと、あなたの財産はどうなるか。
親が健在なら、親が受け取る。まあ、これはいい。
親がすでに亡くなっていたら(その可能性は高い)、きょうだいがいれば財産はきょうだいにいく。きょうだいがすでになくなっていたら、その子どもたち(姪・甥)にいく。人によっては、付き合いの薄いきょうだいや姪・甥よりも、財産をのこしたい人が別にあるかもしれない。
あなたに、きょうだいがなければ、法定相続人がないので、財産の行き先はない。行き先がないので(遺言がなければ)日本国に行くことになっている。国ではなく、友人や団体(たとえばユニセフなど)に遺したいなら、遺言が必要だ。
遺言を書くのは早いにこしたことはないが、おそくとも親が亡くなったら、真剣に考えて書くことをおすすめする。
書店で「遺言の書き方」などの本を手に入れ、読んで実行してほしい。
4、葬式や死んだ後が心配・・・・
葬式も、最近は事前に予約することができるし、友人や兄弟、姪甥に財産をのこすかわりに、(遺言で)執行をたのむこともできる。
葬式をどうしてほしいかは、遺言に書いても法的な効力はないが、ふつうは尊重してもらえるはず。最近は生前に自分の葬式を注文できる業者もある。興味のある人は、問い合わせてみるのもいいだろう。
お墓は、親の墓など、誰か(きょうだいやその子ども達)が面倒をみてくれるところに、ちゃっかりと入れてもらうのがラクチンだ。そうも行かない人は、永代供養のお寺などをさがしてもいい。キリスト教には、そもそも供養という概念がないので、教会関係の墓地にもぐりこむ策も有効かも。
体も元気で精神状態もいい時に、シングル仲間とわいわい楽しく情報交換することをおすすめする。
葬式代や死後整理費用のために、生命保険(終身保険など)に入っている人は、死亡保険金受取人を誰にするか、慎重に決めたい。
親が健在なら、親を受取人にするのがふつうだが、問題は親がなくなった後だ。きょうだいにたくすか、姪・甥か、友人か・・。「法定相続人」にしておく手もあるが、きょうだいがない人は、受取人がいないことになり、そのままでは国庫へ。死亡保険金のことは、遺言とセットで処理しよう。
○日本をシングル天国に?
10年ほど前までの日本では、シングルは、やや特殊な生き方とされていたかもしれないが、今は、いくつかある選択肢のひとつとして、評価されてきたのではないだろうか。
ただ、国の制度(税金・年金・福祉)、民間のサービスは「シングル化」にまだ十分対応していない。これは時間の問題だろう。ただし「シングル化」対応がゆっくり進むか、サクサク進むかは、私たちにかかっている。
税金や年金制度で、シングルが不利になるのを見過ごさない。シングル高齢者が安心して住める住宅環境を整備してもらう。シングル向けの介護や医療のサービスも、充実させるべきだ。
国にも企業にも、シングルの視点からどんどん発言して要望を出していかなくては。
(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)
マネックスからのご留意事項
「10年後に笑う!マネープラン入門」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。