20代からの差をつけるマネープラン(10)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

20代からの差をつけるマネープラン(10)

 宣伝になるが、5月に「20代のいま、やっておくべきお金のこと」をダイヤモンド社から出版した。きっかけは、いつもヘアカットをしてくれる20代の美容師さんが「夢はあるけど、お金はぜんぜんない」と話してくれたから。今、貯金がないだけでなく、貯める計画もぜんぜんない。もったいない。
 彼の夢を応援するために、この本を書いた。

おととい、美容院に行ったら「中村さん、もうすぐ100万円貯まりますよ」とうれしそうに話してくれた(1年くらい前からいろいろアドバイスをしていた)。
著者ミョウリにつきる。
 今回から、主に20代の人たちに向けてのマネープランを語らせていただく。
○課題・ナンバーワン  借金を一掃せよ

 20代半ばまでは、貯金はほとんどないのが普通だ。給料は安いし、社会人になってまだ年が浅いので、服や靴やバッグなどの社会人セットをそろえるのにもお金がかかる。
 しかし、社会人4年目になっても貯金がないのは、あぶない。このままのライフスタイル・マネースタイルを続けていくと、社会人10年目でも、15年目でも20年目でも、今と変わらず貯金ゼロの可能性がある。

 20代のうちに正しいマネースタイルを見につけることは、ものすごく大事だ。 それは船の舵に似ている。ほんのわずか1度か2度、舵を右に切れば、1時間後に船はまったく違う航路を走っている。今、正しい方向に舵をむければ、1年後には貯金ゼロの生活から脱出できる。10年後には笑っているはず。
 正しいマネースタイルの第一の条件は「借金がない」ということ。
 借金。
 コマーシャルや、無人ATMの普及のおかげで、心理的な抵抗が弱くなり(コワイぞ!)気軽にキャッシングをする人が増えた。クレジットカードの分割払いやリボ払いを、借金と思わずに利用している人も多い。しかし、借金をしている限り、お金は貯まらない。
 繰り返そう。「借金をしている限り、お金は貯まらない」これは真理。
 借金とは次のことだ。
・クレジットカードや消費者金融の「キャッシング」 
・クレジットカードの分割払い、リボ払い
・訪問販売(浄水器など)、サービス(エステなど)の分割払い
・電化製品、家具、テレビショッピングなどの分割払い
・クルマやバイクのローン
 
 ローン金利が高くてもったいないのも理由の一つだが、それ以前の問題だ。借金をすると、当然、毎月ローンを支払うことになる。よほど高収入でなければ、ローンを払って毎月貯金も、というわけにはいかない。ローンを返すだけで精一杯だ。
 貯金ができないから、次に何かを買うときも、ローンに頼らざるをえなくなる。ローンを借りつづけ返しつづけ、その間ずっと貯金ができないという、悪いサイクルに入り込んでしまう。
 大切なのは、このサイクルを一日も早く断ち切ることだ。

 それには
・2度と決して借金はしない。カードにははさみを入れる。
・今の借金を一日も早く返し終える。可能なら繰上げ返済を。
  月1万円でも多く返そう。
・返済を終えるまでは、耐乏生活を覚悟する。
  今がまんしないと、一生借金づけになる。
・キャッシングなど高金利の借金なら、低金利のローンに借りかえる。
  親が相談にのってくれるなら、親から借りて一括返済し、残額を親に  返済してもいい。

 投資も貯金も転職も結婚も、すべては借金を返し終えてからだ。

(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)

マネックスからのご留意事項

「10年後に笑う!マネープラン入門」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧